映画 ひらいて を語りたい
映画 「ひらいて」 を語りたい
1.始まり~感想
魅力は
【もやもや】と
【心をひらく、身体をひらく】だ!!
Twitterやタイムライン上で、高評価を得ていた本作品。
知っている情報は、「夕立ダダダダダッ」が櫻坂46の新曲かもという噂になったことぐらい。
何気なく、評判良いから観にいこうかという具合。
<けっこうこんな感じで映画を見ることが多い。直感で観ることが多い。映画のポスターや予告だけで観ることもしばしば。前情報を入れないで観るのがけっこう楽しい。>
劇場は女性が多数であり、座席に座ってから物語の内容を確認してみた。
<間違えたかも。これ恋愛映画か。1人で観るもんじゃないのに。>
<しかし、すでにお金を支払っているし。勿体ない。>
<誰も自分を見ているわけじゃないけど、なぜか【1人ワロタ】とニコニコ動画でいじめられているような気分になった。>
〈いや、映画の評判がいいからだいじょうぶ。映画好きが見る作品なんだ。そうだ。うん大丈夫。〉
と心の声が鳴り響いていた。
<え、主人公って山田安奈だったんだ。>
<最近出ていて、とくに「小さな恋のうた」と「ミスミソウ」めっちゃ好きなんだよな。>
<まじで、芋生悠じゃん。「ソワレ」最高に感動したんだよ。あの儚げで趣ある演技力。どこか無気力で生きる力より諦める力というか、なにか達観しているような雰囲気。クラスの中では1人いるけど、孤高な存在で、触れてはいけない神々しさがあるんだよな。>
<監督の名前は初めて聞いた。映画「21世紀の女の子」って評判良かったけど、すぐ上映終わって見れなかったし、GEOでのレンタルもなかったんだよな。初見ってなんかわくわくする。しかも、綿矢りさの作品を高校時代から映画化したい思いがあるって、素敵な監督なんだろうな。描きたいものがある監督って強い«らしさ»をもっていると思う。>
<綿矢りさ!! 知らんかった。綿矢りさといえば「インストール」、「勝手にふるえてろ」、「私をくいとめて」大好きすぎるー!あのもどしかしさと、葛藤と苦悩と、苦渋が多くて、妄想が爆発していて、感情が抑えきれない主人公たちが魅力なんだよな。毎回毎回、行動して失敗した主人公の後悔しもがいている様がだいすき。共感するし、心が痛くなる。こういう人間模様を描ける人って好き。よく人間観察をしている人なのかな。主人公目線で人を緻密に観察した表現が多くて好き。>
など上映時間までに情報収集してしまった。
概要としては、
常に友人に囲まれ男子にも不自由しない愛が、その姿を見ただけで胸を苦しくさせるほど恋焦がれているのは、同じクラスの西村たとえ、だが彼には誰にも知られていない«秘密の恋人»=新藤美雪がいた。いびつでエキセントリックな三角関係は、思いもよらない方向へ走り始める。
〈なるほど。。事前情報とってしまった。それでも中々面白そうじゃん。〉
時間にして15分。
期待値は最大値まで上昇。
わずかに曇る眼鏡。
両隣が空いていて良かった。一安心。
前後も誰もいない。良し。
映画泥棒が流れ、お馴染みの映倫の広告が流れる。
何回も見ていて飽きている広告なのに、自分の高鳴る気持ちを抑えることで精いっぱいだった。
そして、冒頭のシーン。
一気に引き込まれた。
「夕立ダダダダダッ」に合わせて、主人公たちが住む街と学校が一気に映され、グラウンドに向かっていく。
文化祭で披露するダンスを練習している女子生徒にフォーカスしていく。
山田杏奈(役:木村愛)を中心として、ダンスが展開されていてく。
<山田杏奈って華奢で可愛いのに、どこか不思議を纏っている。すてきだ。>そんな思いの中、1人の女性(芋生悠:役:新藤美雪)がダンスの輪から外れてしまう。そして、物陰に隠れてしまう。気づいた愛はその子を追う。美幸は倒れており、ろれつが回らず「ジュース」とたどたどしく一言。すぐさまジュースをもっていくが、上手く飲み込めない。愛は口移しを行う。
なんて美しさ。やらしさはない。
このものの数分の映像だけで、これは傑作だと。確かな手ごたえがあった。
今まで、同性愛系統の名作映画たちが彷彿されて脳内を駆け巡った。
たとえば、「ムーンライト」
「性の劇薬」
「パレードへようこそ!」
「彼らが本気で編むときは」
「リリーのすべて」
「窮鼠はチーズの夢を見る」
「ミッドナイトスワン」
「チョコレートドーナツ」などなど。
本作品は、あくまで、好きな男の子(たとえ)を振り向かせるために、その彼女(美雪)を奪うための行為。それなのに、どこか色っぽくて綺麗だった。
「無駄だ、なにしてるんだろう私。」を繰り返すも、美雪と肌を重ねていくのだ。
物語が進むにつれて、たとえを知りたい気持ち、たとえを我が物にしたいという欲求、たとえは私だけを見て欲しいという願いがどんどん強くなり、暴走していく感情、破滅していく日常が映し出されていく。
この盲目的な愛情表現は未だかつてない魅力があった。
盲目的な愛や暴走的な愛といえば、
「アンダー・ユア・ベッド」(この作品思い出した!)
「お嬢さん」(これが一番近いかな?)
「恋する惑星」(言いたいのはこういうこと!)
「私をくいとめて」(原作綿矢りさ)
「108 海馬五郎の復讐と冒険」(かなり違う)
「私の男」(ちょっと行き過ぎ)
「娼年」(違うかな?)
「累」(ヨカナーンのシーンがそう思う)
「ファンシー」などなど
のような雰囲気を感じられた。
あくまで私が思う雰囲気であり、本作とは別系統にある可能性が高い。
しかし、それ以上に、汚い愛≒綺麗な愛と、微妙に相反しているようで、イコールな関係、この【もやもや感】があると思うんです。
そして、この【もやもや感】が本作の魅力なんだろうと感じます。
監督 首藤凛が一番見て欲しいシーンと言うシーン。
それは、「愛と美雪のベッドシーン」。
首藤監督は以下の様に述べます。
「この原作を映像にするなら、【心と身体の話にしたい】っていうのはずっと思っていて、愛が心をひらいて、美雪が身体をひらく。心と体の繋がりは、すごく大事にしたっかんです。」と。
そして、プロデューサー杉田浩光は言います。
「僕がこの企画に乗った最大の理由は、たくさん理解できないところのある物語だということ。この3人のトライアングルの正解図はまだ僕にもわかっていませんが、それがある種の作品の魅力であってほしい。【もやもや】したまま劇場を後にしてほしいというのも、ひとつの狙いではあります。」と。
主演を努めた山田杏奈は言う。
「台本を読んでも現場でも、私は愛のことがわからなかったし、正直いまだにわかっていません。今回は、わからないながらもやることが監督の助けもあってできたので、またひとつ女優としての新たな引き出しが増えました。愛ととともに山田杏奈の心もひらかれました。」と。
このことからも、製作者側でも、理解できないもの=【もやもや】とした感情が、映画として面白みがあり、そこが魅力だと感じられていることがわかります。
そして、【心と身体をひらく】ということ。
人間の繋がりって、先に心をひらくことなのか?身体をひらくことなのか?
それって多感な思春期の時期によくあることだと思うんですよ。
好きでもない人と行為をいたすこと、皆がしているから行為をいたすこと、
真実の愛って?まず順序があるよね?
なんて、そんなものはどうでもよくなる愛もあると。
特に、主人公の愛は、心のひらきより、身体をひらいてから、少しずつ心が満たされていくのを感じていきます。美雪の肌や感触や、女性同士でいたすことはないのに、ただたとえに向いて欲しい思いに反して動く。
そして普段隠しているものをさらけだすこと=ひらくことを覚えるんですよ。
後半になって、たとえを教室に呼びます。美雪のスマートフォンを使って。
そこで愛は下着姿になり、たとえに求めます。
どうしたら好きになってくれるの?
どうしたら私だけを見てくれるの?
たとえは、驚きや興奮よりも、畏怖を感じ、よろめきます。
それでも、愛と話します。
ここで初めて、愛とたとえの目が繋がるんですよね。
やっと同じ場所にいられたような。
私的には、ここで初めて繋がりをもてたと思えるんですよ。
愛の目標は1つ達しているんですよね。
我を通した愛の力だとも捉えられます。
すごく印象的なシーンですが、狼狽している演技が見事。ジャニーズだと侮ることなかれ。ほんとうに、女性が下着姿で待っているってなんか怖いよね。
物語は進み、たとえが東京への進学を決めたころ、父とのいざこざがあります。
そこに、美雪と愛がきます。
たとえの父:崇(演:荻原聖人)は男で1つで育てており、圧力と攻撃性に満ちています。自分の言うことが正しい。自分の言う通りにすればいい。そんな暴力性を感じられました。
そこで、愛は同族嫌悪を感じます。
原作には以下のように記載されています。
「猛々しい怒りの感情に支配され、久しぶりに、抑えのきかない無茶苦茶なパワーが腹の底からせり上がってくる。そう、私は恋をして自分のふがいなさを味わうまえは、怒りと自信に満ち溢れた女の子だった。私はまだ失っていない。この向こう見ずの狂気さえあれば、なにも恐くない。私はだれにも、負けたりしない。」と。
崇を愛は殴ります。
「こっち向け、馬鹿!!」と。
本作を見て、一番好きなシーンでした。
自分自身を見つめ直し、色々な負の感情をのせた渾身の1発。
ここまで愛は思い詰めたし、思い通りにならなかったし、心底どうでもよくなった。爪は欠けて、髪はぼさぼさ、私服はだるだる、テストの点数は下がり、素行も悪くなっていった。
そんな愛を考えると、このシーンが愛の身体で示した暴力性だったと思えます。
今までは心の暴力性に満ちていたけれど、身体での暴力性というのは乏しかった。
なにせ、美雪をいじめたり、殴ったりしても良かったのに。愛はそうしなかった。
そこまでの強烈な行動性はなかったのだ。
たとえを思っていたし、たとえが愛している人を知りたかった。
身体の関係性まで至ったのは、そこを抑えたのではないだろうか。
だからこそ、爆発させた渾身の1発に魅力を感じぜざるおえない。
卒業式。
愛の机の中に一通の手紙が入っている。美雪しかない。
美雪は、たとえが好きでそのために近づき、身体の関係性をもったことを知っています。それでも愛を受け入れています。
愛に手紙で伝えます。「ほんのひとときでも、心を開いてくれたのであれば、私その瞬間を忘れることはできません。」と。
そして、美雪のクラスへ。
「また、一緒に寝ようね。」と。
そして幕は下り、エンドロールが流れます。
なんとも言えない【もやもや】で溢れていますね。
綺麗な終わり方だと思います。それでも、すっきりはしませんよね。
それに、このあとどうなるのって気持ちすら出てきます。
原作では、このあと電車に乗って、折った鶴をひらいて語っていきます。
それが合っても良かったのになぁ。でも、教室で終えたのも、どこか爽快感がありましたね。
首藤凛監督と綿矢りさの対談より抜粋。
首藤「原作では、愛が美雪の教室に行った後、そのまま学校を出ていくっていうのがすごく良かったんです。狭い世界から出て衝動的に遠くへ行きたくなる気持ちもわかるし、手ぶらで昼間の電車に乗っている映像も頭のなかで好きだったので、あのくだりも最初は入れてたんですよ。ただ、たとえと愛の関係の変化の上で、それを超えてくる美雪と愛の関係というところで終わらせたほうがいいのかなぁと思って。」と言います。
やはり、監督の言う通りで、関係性の終止符をうってくれましたよ。
きっと電車のシーンも山田杏奈の表現力や表情ですべて語っていくのだろうと思えます。それもやっぱり見たいかも。
以上が見た時に感じた思いです。
2.瞳を語りたい。
なんといっても、本作は瞳について語っているシーンが多い。
原作でも「彼の瞳」という言葉から始まっています。
綿矢りさの小説では、対象者をよく観察していますよね。目や口元や頬、輪郭だったり、身体の大きさ、手の厚さや質感が丁寧に書かれています。
だからこそ、映画のなかでも印象的に感じられたのだと思います。
原作で特に瞳を語るところで好きなのが2シーンあって、
「愛ちゃん、愛ちゃん、好き」
「私のどこが好き?」
「刺してくる瞳が好き」
「刺す?射るじゃなくて?」
「刺す。目をぎゅっと細めるときに」
「コンプレックスなんだけどな、一重の細い目」
「愛ちゃん、こわい」
「こわがられて当然だよね。それだけのことをしたから。」
「違う、そうじゃなくて、今言ったこと、全部嘘でしょう」
「なにを言ってるの?私は本当に心から悪いと思ってるよ」
「ううん、まったく反省してない。私はもうだまされない」
「美雪、おかしなこと言わないで。どうして私が、反省していないと分かるの?」
「瞳が暗いままだから」
「愛ちゃんは表面の薄皮と内面の肉が、細い糸でさえつながっていない。完全に分離してる。だからなにを言っても私には響かないし、届かない」
この2つのシーンが好きです。とても原作で印象的になっています。
愛は繕いの笑顔がうまく出来ていると思っているんですけど、みんな気づいているんですよね。何回も作られた笑顔、まずしい笑顔、瞳がぼんやりすすけて、薄暗い。
それは、自分ばかりを見つめているからだ・・・・・・
だからこそ、たとえに告白したときにも
「なんか、嘘をつかれているみたい」と言われてしまいます。
本当に好きなのに、これは間違いないけれど、
それ以上に自分の思うようにいかない、我儘さ、貪欲さ、醜悪さが先に出ているんですよね。心をひらいていないからこそ、たとえには伝わらなかった。
たとえにとっては【もやもや】としたものしか伝わっていないからです。
原作では、愛の思いやモノローグが愛の視点で丁寧に描かれています。
映画では、モノローグを使用せず、山田杏奈の演技で示しています。
ここが、この映画で一番すごい所。
美雪と肌を重ねるシーンも、たとえに告白するシーンも、教室でたとえを見つめているシーンも、静かで、エモーショナルなのに、激動を感じ、エキセントリックな雰囲気が出されているんです。
愛を俯瞰的に、愛を引いて見れる、この技術が卓越していると言えます。
人それぞれの解釈ですが、
映画は多くを語らない方が俄然面白いと思います。
映画を見た後に原作を読むと、愛の視点で愛の考えが書いてあるので、より理解することができます。映画は少しミステリアスな雰囲気になっていますが、その余白がいいのです。映画は映像で雄弁に語ってくれます。
とくに、今回の愛に共感できる人は圧倒的に少ないと思えます。
好きな人がいるのに、行動や考えや思いが滅茶苦茶だからです。
でも、どこか嫌いになれない。少し好きな部分があるんです。
その愛を見続けていく内に、さっきの沈黙やさっきの表情の意味って、
さっき言わなかった言葉、さっき見つめていたもの、
そんな、さっきを気になって仕方がなくなります。
だからこそ、首藤監督は【余白の魅せ方】がうまいと思えます。
3.詩と合わせて語りたい。
私はこの映画を見た時に直感的に、とある詩を思い出しました。
最果タヒの「死んでしまう系のぼくらに」より一部抜粋。
『瞳の穴』
さみしさはわたしの瞳に穴をあける。
失恋の数だけ、子どもを産めば、心をうめられるよって、きみは言ったし、わたしはきみの足首を海にひたしていた。死ね、生き返れと、言われつづけるような人生でした。きみが引き裂かれながら、わたしを産んでくれたらいいのに。砂漠から生えた木々が地球を枯らしていく。以下略。
この詩を読んだときに、前述した瞳について考えさせれました。
この詩からは私の解釈になりますが、自分の存在って?愛って?と考えている内に、自分の心に穴が、自分の見ているものが穴だらけになっていくと思います。なにか空洞なものが周りには散らばっていて。どこか空虚で。どこか寂しくて。
この詩の後半には、
私はきみに会いたかった。生物学的に、惑星としても、死者に会うなど不可能であることが、まるで宇宙を殺したいと言っているようだった。以下略。
と続きます。
まるで、自分の存在を否定していたけれど、きみに会なくて寂しいような、きみがいてくれたときは幸せだったように感じ取れます。生と死が隣り合わせにあることを感じられた詩でした。
愛にとっての瞳はこういう空洞なものがたくさんあったのでは?と思います。
たとえに出会ったことで、瞳の形や色がどんどん変化していく。
つまりは瞳=愛の感情を示しているのだと考えられます。
人との出会いで、その人は形成されていくように、愛にとってたとえという存在で、空洞がたくさん生まれて、少しずつ形成されていったのでと考えられます。
『ぼくの装置』
ぼくのことをきらいなひとがたくさんいるきがするし、
実はそんな人すらいないようなきもする、今日も、撃ち殺されなかったと泣きながら眠る夜はただ一人で、夜の重さに苦しみながらシーツに溶けられないことをうらみ、朝に叩き起こされる。
あいされたい
それはべつに深刻ではなく。ころされたい、でもいい。以下略。
この詩からは、ぼくを気にしなくてもいいし、気にしてもいい。けれど、ぼくを君たちの尺度で測らないで欲しい、ぼくはぼくをわからないし、きみはきみをわからないだろう、関わらないでほしい、ぼくを利用しないでほしい。
だから死にたい。そんな感じに思えました。
だから今日が来る、今日も生きてしまった、夜が重くて、朝が苦しい。そんな思いになったのかと思えます。
愛が朝起きるシーンが何度か繰り返されます。
災害用ベルのような、緊急を示すようなエラー音で毎日起きています。
物語が進むにつれて、やつれていく愛は、どんどん部屋も汚くなり、身なりも汚れていきます。
その過程を示しているように思えた詩です。
自分の抑えきれない感情が、行動化し、暴れてしまい、落ち着かなく、あとで後悔するを繰り返している内に、また朝が来ます。
たとえと美雪の手紙の内容を知りたくて、夜の学校に忍び込むことを考えます。キャミソールの上に半袖のシャツをきて、短パン姿で夜道を自転車で駆けます。その時は感情の思うがままに、手紙を読みたいと思うがままに。家までの帰路では、自分がした行為について考えさせられます。どうしてここまでできたんだろうか。
ときに、いなくなりたくなります。ときに、死にたくなったであろうに。
原作では、最後電車に乗ります。それは遠くに行きたいから。その場を離れたいから。
その愛の行動や思いに、合っている詩なのかなと思って仕方ないです。
4.山田杏奈を語りたい。
山田杏奈という存在を「ミスミソウ」の子だとしか認識していませんでした。
今まで見ていた「小さな恋のうた」「名も無き世界のエンドロール」「あゝ荒野前編」「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」「屍人荘の殺人」「樹海村」で、いたいたと、あのとき出てたなんて思いました。
印象としても、可愛い子が出ているな、これからの活動も期待していいかもぐらいな程度でした。
しかし、本作を見た時に、こんなに可能性に満ち溢れているとは。
驚愕でした。
前文にも述べていますが、表情や仕草や態度、話し方、歩き方において、本作の【もやもや】を示してくれています。これってすごい。本当であればモノローグを入れたっていい、思いを文章に載せたっていい、明白な説明文は書けるのに、この女優一本で示してくるんです。
美雪が自分の事を愛が好きだと誤認した時の表情が、まぁ素晴らしい。
下着姿になってたとえに言い詰めるところ、
学園祭の準備でたとえに告白するところ、
展示物が認められ表彰状をたとえと一緒にもらい担任に写真をとられるところ、
屋上で空を見上げるところ、
まぁ切りはないんですけど、説明しない美学がふんだんに詰められています。
山田杏奈も、わからないまま演じたというが、説得力を感じられた。
こういう演技力できる女優って大事だと思います。
パッっと思いついた女優が2名います。
蒼井優の
「彼女がその名を知らない鳥たち」の北原十和子を思い出しました。
あの言い切れない欲求が満たされていない雰囲気。歪んだ愛って感じ。
あの雰囲気を感じたんですよね。
「オーバー・フェンス」の田村聡も思い出しました。
急に踊りだしたり、激情したり、せわしない変人。
きっと、愛が到達する道かもしれない気がして。
ifの愛かもしれない。そんなように感じています。
二階堂ふみの、
「私の男」の腐野花
「この国の空」の田口里子
みたいな雰囲気もありました。
あの男性に対して、少しエロティックな感じで、身をささげたい暴君さを感じるんですよね。愛の暴走って感じは近いんじゃないかな?
そして、私は山田杏奈の出演している作品を見直してみました。
どの役でも、自分に落とし込めて理解してから演じられているように強く感じました。
そこで勝手なランキングですが、山田杏奈を見るならこれがオススメを紹介します。
1位 ひらいて
2位 ジオラマボーイ・パノラマガール
3位 新米姉妹のふたりごはん
4位 幸色のワンルーム
5位 ミスミソウ
6位 樹海村
7位 小さな恋のうた
9位 Softly 「あなたのことを想って指先でなぞる文字は(あかりとまさき 告白編.)」
10位 屍人荘の殺人
どれも素晴らしい、山田杏奈が見れると思います。
個人的には見やすい順って感じでつけています。
とくに、好きなのは「ジオラマボーイ・パノラマガール」です。
この作品って、山田杏奈(渋谷ハルコ)が運命的な出会いをしたけど、相手がそう思っていない。でもハルコは運命だと思うから、君が好きって感情だけで動くのが印象的なんですよね。本作にも近いけど、もっと純粋な女子高生だし、等身大の演技が見れます。
とくに語られる詩が好きなんです。
好きの気持ちはずっと残る
好きな女の子さえいれば世界がどうなろうと知ったこっちゃない
もう一回あの人に会いたくなった
あの出会いは世界の歴史とか、地球の危機一髪を救うような、
とうきょう、とうきょう、ゆりかもめ、
窓から見える風景はどこまでもスクラップアンドビルド、ビルはのびるよ、線路は続くよ、とびだせハイウェイ、迷うぜサブウェイ、ハッピーなヤングが群がってウェーイ
とうきょう、とうきょう、ダンジョン渋谷、赤信号も横断歩道も白線も、
ほらとうきょうタワーに灯がともる
オープンセサミがとうきょうがいる
きれい
きれだよな
かっこいい
かっこいいよな
みているだけで元気になっちゃう
なんかがんばるよ
うん、なんかがんばる
物語の中盤で流れる詩なんですけど、山田杏奈の活気のある表情と動きが印象的で好きなんですよね。見ていて楽しくなるし、なんか生きる力すらもらえる。
終盤にかけて女友達とキスするシーンもありますが、本作とも少し違う雰囲気で良しです。
まだまだ拝見していない作品が多いので、楽しみがたくさんです。
これからの活躍にも多いに期待できる女優だと思えます。
次は、
・哀愁しんでれら
・彼女がすきなもの
・五億円の人生
・21世紀の女の子
・荒ぶる季節の乙女どもよ。
なんか、見たいなぁと日々考えています。ゲオに置いてないんだよな(´;ω;`)
追記:
原作では、学園祭の展示物が、オードリー・ヘプバーンのティファニーで朝食を、机を並べて作ることになっています。
映画だと桜の木なんですよね。原作では、たとえと愛が二人で展示物を作成します。その過程で、キセルを加えたオードリー・ヘプバーンがうまくかけないとたとえが言い、愛がポージングをとります。
できれば、山田杏奈にもそのようなシーンがあると胸キュンでしたね。
キセルを加える真似、オードリー・ヘプバーンを意識したポージングなんて、想像するだけで楽しくなります。
映画の中では表現する予定がなかったため、架空の出来事になりますね。
あぁ~見てみたい。
あとあと、美雪とのベッドシーンも綺麗なんですけど、下着姿の山田杏奈もすごくきれいなんですよ。興奮とかそういう性的なものではなくて、もっとアート的な、美学的な意味で綺麗なんです。
山田杏奈は「女優は汚いところを魅せる仕事だ」と言われたことを意識しているようで。好きな言葉なんですって。だからこそ、力強い演技力と合わせって、素敵なシーンに成り得たんだと、深く思えました。
あと、脱線しますが、「お耳に合いましたら」ってドラマを見て。
あれ、面白いですね。
第1話が魅力的で、「好きを語れないと好きが失う」ってところ。
これ怖い。って思って。
映画が好きなのに、仕事が忙しくて、ブログを一時休止していたけど、
映画の好きが失われるって思って。
だから、今書いていてすごい楽しい。
好きを伝える力って、大事だと思いました。
余談が過ぎましたが、本作「ひらいて」は傑作ですね。
映画 静かな雨を語りたい
映画「静かな雨」を語りたい
1.「静かな雨」鑑賞後の感想を物語と合わせて語りたい。
人間は何で形成されているか?ということを考えさせてくれる映画でした。科学的に人間は、水:60~70%、たんぱく質:15~20%、脂肪:13~20%、ミネラル:5~6%、糖質1%と言われています。文献にもよりますが、実に無機質な返答内容です。では、より人間味のある考え方をすると、日々の記憶や思い出でできていると考えることもできます。人と人がコミュニケーションをとる、出会う、生活をしていく中で、日々の積み重ねが記憶や思い出になり、人間を形成すると考えることができませんか?しかし、この映画は別の答えをくれたと私は思いました。それは、日々の思いで人間は形成されているのだと。
ここからは物語を紹介しながら語っていきます。
「静かな雨」の主人公は生まれながらに右足に障害をもった男性で名前は行助です。ヒロインはたい焼き屋を営み、不慮の事故で、高次脳機能障害を患い短期記憶障害となってしまう女性で名前はこよみです。2人の出会いは、仕事帰りの行助がたまたま帰り道に寄った、こよみの営むたい焼き屋のたい焼きがおいしかったことから始まります。タイトルに寄り添うがごとく、静かにゆっくり穏やかな雰囲気で2人を包み、少しずつ2人の距離は近くなっていきます。不慮の事故で、短期記憶障害を患ったあと、行助とこよみは一緒に暮らし始めます。初めは、生活をしていくうえで、短期記憶障害の障壁より、一緒に生活をしてく嬉しさが表在化されます。しかし、行助とこよみの生活には思い出が積み重なることができないのです。付き合い始めた男女のあるあるだとは思いますが、相手の知らない側面を知ったときの複雑な心境ってありますよね。そういう場面がこの映画にもあります。こよみの元カレが現れたり、九州出身であったり、大学を中退していたり、とあるピアニストのファンだったり、自分の知らないこよみがいることでの不安や焦燥感があります。本来なら知ることでの喜びがあるのですが、そこに短期記憶障害の障壁が生じているのです。2人で生活を始めたことで、行助の嫌いな食べ物はブロッコリーで、焼き芋を一緒にして楽しかったこと、窓ふきや庭の掃除を一緒にしたこと、一緒にたい焼きを食べた事、そんな積み重ね、そんな思い出を共有することができないのです。共有でないことが辛く、苦悩や不安ばかりが積み重なっていきます。そんな日に、こよみが用意してくれた夕食にブロッコリーがあったのです。ついに思いを吐露してしまいます。こよみが「なんて言えばよかったの?」と言って家を去っていきます。家には行助が1人で無機質な空間に1人となってしまいます。ふと視線を向けた先にはたくさんのポストイットがあります。そこに「ゆきさんは、ブロッコリーが嫌い」と書かれたものが置いてあります。忘れないように、忘れないようにこよみはしていたのです。こよみは必至に2人の生活を大切にしていたのです。そんなこよみの日々の思いが行助に伝わり、家をでてこよみを追うのです。結末までは記しませんが、ここまで書いてあるとわかるように、日々の思いが人間を形成していると感じませんか?
その日の記憶が失われてしまう=思いが失われるというわけではないという真実を教えてくれています。相手が嫌なこと、相手が好きなことを少しでも、次の日の自分のバトンを渡そうと、たくさんのポストイットに記していたこよみの思いだけで行助は十分でしたね。日々の思いがあれば、一緒に生きていけると。一緒に生活していけると。
ここまで、素敵で優しい映画ってありません。私はこの映画に出会えてとてつもなく嬉しかったです。日々の思いを大事に生きていこうと前向きな気持ちになりますし、人との関わりを大事にしよう、その日自分が思った気持ちや思いを大事にしようと考えられました。
なにより、この映画のポジティブポイントは、嫌いになるキャラクターが1人もいないことです。行助の仕事場の上司や後輩も、物語を展開していくうえで、行助に優しく接してくれて、絶妙な距離感で応援してくれています。こよみの周りには、たい焼き屋の客が出てきますが、こよみの生活の一部となっていて、違和感なく、こよみの楽しそうな生活の一面が見れます。
小説では、行助の姉とお母さんとお父さんが出てきます。一方で、こよみの背景には出てくる登場人物はいません。映画だけ、お母さんが出てきますね。そのお母さん役が、河瀨直美だとは・・・。衝撃でしたね。すべてアドリブで演じているのに、こよみの背景が色濃くなり、その人らしさを形成させてくれます。河瀨直美ってご存知ですよね。私は河瀨直美監督の作品で一番好きなのは「光」ですね。その監督が女優ってちょっとのシーンしか出ないのに出るとは!!奇才って怖いですね。河瀨直美監督のお母さん役をもっと見たいと思いましたよ。
さらに、この映画のポジティブポイントとして、綺麗な画なんです。雨のシーンも、階段のシーンも、こよみを追うシーンも、たい焼き屋の前で、行助とこよみがたい焼きを食べるシーンもなんですが、だいたいが引き画なんですよ。第三者として、2人を見ていることも楽しめて、全体的な景色も楽しめるんです。撮影が塩屋大樹という方で、中川監督が厳選したようです。撮影塩屋大樹の作品として好きなのは「君が君で君だ」ですね。この作品にも重要な雨のシーンがあります。私的に感じたことですが、調和が保たれた映像作りをしてくれる方という印象です。どのシーンを切り取っても、素敵に感じ取れると思います。
なにか嫌なことや、人生での転機があるときに、この映画を見返すことをオススメしたいです。物語が急速に展開してくことは全然なく、ゆったりと静かに楽しめる映画で、自分のもやもやをゆっくり整理できるきっかけになる映画だと考えています。そして、同じ事を繰り返しますが、日々の思いを、日々の対相手への思いを大事にしたいと、前向きに生きたいとと思える映画だと思います。
2.「静かな雨」の雨の言葉と合わせて語りたい。
まずこの映画において重要なのは行助とこよみの関係性の築き上げや生活や思いだと考えますが、雨に注目するとまた面白いと感じました。物語の時期は1月から2月後半となっています。
『冬の雨』という言葉があります。冬にこごえるような雨。細く冷たい雨が音もなく降り、わびしい感じがする。そして、冬の雨は春を予告する雨、人々に喜びをおくる雨と言われています。
こよみが行助のおでこにキスをするシーンがあります。そこは、階段で撮られていて、二人の身長差が絶妙な位置となりキュンキュンしてしまう大好きなシーンです。おでこにキスされたくなると思います。ってかされたい。めちゃくちゃ憧れのあるシーンです。ちなみにこのシーンは小説にはなく、中川龍太郎監督オリジナルです。まさか実体験かも。まぁ、おでこにキスをしたあと、行助は茫然自失となり、雨が降ります。この雨を私は『冬の雨』だなぁと思いました。祝福のようであり、こよみにも雨が降り注いでいるため、2人の世界が出来上がり、包み込まれたように感じ取れました。
他にも、『涙雨』という言葉があります。これは『るいう』と言います。涙雨とは、雨が降るように流れる涙、悲しみの涙雨のことを言います。近い言葉に『雨と雨』あめとさめと言います。同じ意味合いがあります。
映画の中で、思い出が積み重ならないため、徐々に息苦しさを覚えた行助が、こよみに対して「ブロッコリー嫌いって言ったよね。見るのも嫌なんだ。」と言い「あの元カレにもおでこにキスするの?」「同じ料理を作っているの」と涙ながらに訴えかけます。そのときに、こよみは「なんて言えばよかったの」と言い少し涙をうかべながら家を出ます。まさに、このシーンは『涙雨』を表している2人の姿だったと思います。このシーンまでは、2人が自分の思いを伝えることや、涙を流すシーンはありません。初めて2人が衝突してしまう場面です。そのため、実に有効的に、2人の関係性の変化や障壁が見られる重要なシーンでした。もちろん外には雨が降っているシーンです。
最後に、『雨夜の月』あまよのつきと読みます。これは、雨が降る夜の月は実際には見ることができないところから、逢えない恋人の姿を想像するときなどに言います。また想像するだけで、現実には見ることのできないものたとえ。
人間の思いって可視化することが難しいものだと思います。行助やこよみの関係性についても、たくさん思い合って生きているのに可視化することできないことで、不安へと繋がったんだと考えます。また、中川龍太郎監督は、月を不吉な予兆や象徴として描いています。2人の災難には月が静かに浮かんでいて、ラジオで小惑星の衝突について流れるシーンもあります。目の見えないものはなんとも言えない不安を生じさせるものです。この映画においてkeyとなる描写において、この言葉が当てはまると感じました。
また、雨と月に関係あるだろうと考えた場面があります。階段でのおでこキスを終えたあとに、こよみがとある行動をしていたことがわかります。「あの日は雨が降っていたのに月がでていたね。あれが綺麗だったからもう一度みにいったの」という台詞をこよみが言い、そして「このまま今日が終わってほしくないと思って。」と言います。こよみはあの日のことを大事にし、思い残していたいと考えていたのです。まるで、事故が起こり好きな人に逢えないことを示唆していたかのようですよね。考えすぎかもしれませんが。
3.「静かな雨」と合わせた映画について語りたい。
まず「静かな雨」という映画を見ながら、彷彿させる映画が2本ありました。
1つ目は、「ムーラン・ルージュ」です。この映画の名台詞に『この世で最高の幸せは誰かを愛し、その人からも愛されること』があります。オーストラリアの監督、バズ・ラーマンの代表的作品といっても過言ではないです。なぜ、この「ムーラン・ルージュ」を思い出したかというと、行助の思いに焦点をあてたときに近い表現かなと考えました。2人の生活には、小さな幸せが詰まっています。1人は右足の障害をもった男性、もう1人は短期記憶障害をもった女性です。2人には障害というものが付き添っています。それでも2人で生活していくうえで、keyとなるのは互いに愛し合うことなのかなぁと。
2つ目は、「海の上のピアニスト」です。行助とこよみの共通点といえば、おいしいものを共有できることです。この映画の名台詞に『何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない。』があります。2人がたい焼きを食べておいしいと共有し、2人が焼き芋を食べておいしいと共有するシーンがあります。「静かな雨」の映画の特徴として2人の生活を多く切り取ってくれているため、他にも2人で生活や思いを共有しているシーンが見どころとなっています。2人の関係性を表した言葉って、まさに『何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない。』なのではと思いました。
4.「静かな雨」のシーン毎に分けて語りたい。
好きなシーンが多いので、ここが私的に一番多く語りたいところです。
①冒頭の目の色について。
ぜひ、「静かな雨」の予告を一度見ていただきたい。予告の冒頭で流れますが、「目の色が好きだった」から始まります。そして、「引き込まれそうな湖みたいな静かな色だった。」と。なんか素敵な映画との出会いの始まりの予感がしませんか?続いて「半分はあきらめの色。私は嫌いじゃなかった。」と言います。この言葉が終盤のシーンに活きてくるのです。こよみが行助のことを、ちゃんと好きだったことが明確にわかる素敵なシーンなんです。半分はあきらめの色=右足に障害をもって生活をしてきた彼なりの妥協と決断力を示していると思います。小説に描かれていますが、こよみは「あきらめるのってとても大事なことだと思う」「でも、あきらめ方を間違えると、ぜんぶだめにしちゃうの。あきらめることに慣れて、支配されて、そこから戻ってこられなくなるのね。」とあります。障害があることでのあきらめや妥協を否定せず、肯定してくれている一節だと考えています。だからこそ、こよみは行助の足について何も聞かないし、足をひきずっていても荷物はもってもらうし、あっさりとした対応をしてくれるのです。これは、いらない気づかいをしないというえだ大切なことだと思います。他のシーンにおいて、行助は「大丈夫です。自分でもっていきます。」という台詞が出てきますが、こよみに対しては絶対この言葉は言わないのです。こよみが目の色から、その人の世界かを知ろうと行動した結果築かれた2人の完成系なのかなぁと考えました。
というより目の色が好きという台詞自体が最高に素敵だと思います。
②こよみ役の女優衛藤美彩(元乃木坂46)が魅せた、たい焼きを作るシーンについて。
衛藤美彩を見たときに思ったことは、可愛い、なんか透明感がありながら、どこか芯がある女性という雰囲気があり、高嶺の花のような印象を受けました。とりあえず、好きになりました。
撮影開始1週間前から、たい焼きを作る練習をされており、映画の中ではさながらベテランのような手さばきが見れます。お客さんに「熱いので気をつけてください」や「こげもう少し切りますか」や「袋どうぞ」と言いながらたい焼きを渡すシーンがなんとも自然なこと!!アイドルから女優なんてなぁ、馬鹿にできない演技力です。演技がうまいのではないですよ!ここ注意!自然な演技ということが大事なんです。
不慮の事故によって、短期記憶障害を患ったあとに、再度たい焼きを営みます。その時に、お客さんが待ってたかのように、たくさん来ます。その人達の掛け合いのあるシーンが続くのですが、事故前と変わらないこよみがそこにいるという感じ、こよみの日常や生活の一部を見れているという感じが、なんか好きでした。だからこそ、自然体な演技って大事だなぁと思いました。
行助に荷物をもってもらうシーンなんかも、まさに自然体で、こよみだったら絶対そうやって対応するねと納得します。行助からコーヒーをもらうときに、砂糖かミルクはいると聞かれますが、いらないと返答します。こよみは絶対ブラックコーヒーだと私も思いました。甘いものがそんなに好きじゃないだろうと思いました。衛藤美彩も、撮影場所でブラックコーヒーだと思いますと意見しているところはなんか嬉しかったです。また、衛藤美彩の中で、たい焼きを作る練習を毎日したことで、良い感じにアイドル感が抜けているのが見どころだと思います。アイドル感があることはデメリットではありませんが、良い感じに抜けている自然体な女性であることが、こよみを演じるうえで重要だと考えると、すごく良い役作りをされたんだと感じました。
衛藤美彩の魅力についてはぜひ「静かな雨」のメイキングも見て欲しいです。相手の行助を演じている仲野太賀からは、接しやすく果敢にいどむ人、中川龍太郎監督からは自分の役割をわかっている人と評されています。終盤のメイキング映像にて、衛藤美彩が立ち上がれなくなり泣いてしまう場面は必見です。彼女なりにこよみという役をどのように理解し、どのように取り組むかがわかり、その姿勢を知ると彼女の虜になってしまいます。ちなみに乃木坂については私は詳しくありません。この映画の衛藤美彩の演技が好きなだけです。
③おでこキスシーンについて。
前述しているので少しだけ。このシーンは絶対必見です。行助とこよみのとるスキンシップってこのシーンだけなんですよ。そして、「え?」って顔になる仲野太賀が良いんです。茫然自失ってこういうことかと思わせた演技でした。おそらく、行助って足の影響もあるのでしょうけど、女性経験が少ない、あと友人が少ない、人とのコミュニケーションが苦手なんだと思うんです。1人の女性を好きになり、こよみのことは高嶺の花なんだと思います。近づけないけど、たい焼き屋には日々通うし、壊れた猫の置物も買っていくし。彼の心ってすごくピュアでちょっと陰湿なんでしょう。嫉妬心も強そうです。そう思うと、予期しないおでこキスは、彼にとって青天の霹靂だったのでしょう。もしくは、彼の干ばつとした心に、干天の慈雨だったのかもしれません。茫然自失となるのも納得です。その後のシーンで、携帯番号を教えているから、いつ連絡くるかドキドキしている様もまさに、彼の人柄が出ていると思いました。全体を通してから、もう一度おでこキスシーン見てください。すごく好きになると思います。
④世界の話について。
こよみのたい焼き屋には常連客がいます。その一人に高校生がいます。受験や勉強について、自分ではわかっているけど、こよみに聞いて欲しくて話すシーンで人の世界について語るシーンがあります。
「私のうまれたところで、黄砂がふるの。あなたにとって黄砂は知識でしかなくても、黄ばんだスニーカーや生乾きのにおい、わかるかな、生活の一部、私の世界の一部なの」と言います。きっとこよみは相手を内包した世界をもつ女性であると思います。こよみの包容力を示す台詞だなぁと感じます。
続いて酔っぱらいの親父が、こよみのたい焼き屋によくきます。
そこで、スマホの写真をこよみに見せたり、自転車を蹴ったり、若干たちの悪い人なんです。数シーンしかないんですけど、いい味出しているんですよね。いいアクセントなんです。背景として、今までは通勤ラッシュの時間に必ずいて、仕事がなくなり、昼間から好きでもないお酒を飲み、ただ時間が過ぎていくだけの人生なんです。その様子をこよみと行助は観察しているんですね。
こよみと行助が一緒に帰り道を歩いているときに、酔っぱらい親父の話になりますが、「なんの話だっけ?」、「世界の話しかな」そしてこよみが「あの人のことを知れて良かったな。」と言います。なんかこれまた素敵な表現だなぁと思いました。
ただのお客で留めるのではなく、相手を理解し、相手の世界を知る、こよみの包み込むような人間愛を表しているように感じます。
⑤お母さん役の河瀨直美について。
不慮の事故で入院しているときにお母さんが突然現れます。裏設定として、中学生のときに手放した子供との再会らしいです。ただその設定だけで、アドリブで台詞を羅列していきます。「昔は名前こよみって名前いえなくて、みーちゃん、みーちゃんって呼んでたの。りんご飴が大好きで。こんなきれいなって、おおきなって、おんならしなったな。」と他にも台詞は続くのですが。ただのワンシーンだけで、こよみと母親の関係性がくっきりと浮かび上がるじゃないですか。切なさと愛おしさともどかしさが合わさってました。河瀨直美監督って女優までできる天才?奇才?なのかって思ったシーンでしたね。
そして、このお母さんって、自らのこどもを見捨てたようにも思えますが、決して絶対悪だと言えません。行助に名刺を渡して困ったら連絡するように、お金のこととかと言い残します。大事な子供だからこそ、できることの範囲をわかっているうえでの行動だと私は考えました。きっと、こよみは今までお母さんには頼らなかったのでしょう。
⑥リスボンの話について。
リスボンっていうのは、こよみが飼っていたリスのことです。そのリスボンは、大好きな胡桃をひと齧りすると隠す癖がありました。あとで食べようとって置いたのですが、忘れてあちこち探します。リスボンが亡くなったあとに、あちこちから胡桃が出てくるという話です。まさに、忘れないように必死にポストイットに書いていたこよみと重なるんですよね。映画を2回目、3回目と見直すと、リスボンについて話すときの衛藤美彩の表情が絶妙で素敵です。
⑦ここに注目して欲しい!こよみが足をあげて座るシーン。
こよみが随所で足を抱え込んで座るシーンがあります。それは、行助とたい焼きを一緒に食べるシーン、川原で行助と一緒に座り朝焼けを見るシーンですね。どういう意味合いを感じるかは人それぞれですが、私はここに、こよみである所以を感じられました。こよみは自分の感情をおもてに出すキャラクターではありません。でも、足を抱え込んで座るという行為の裏付けとして、心を許せる存在が近くにいることを意味していると感じます。本来なら身を固める行為には、緊張や不安を示す、心を許さない相手といる、身を守るための防衛反応という印象があると思っていました。しかし、本作を見た時には、常に隣に行助がいるんです。行助がいるからこそできる行動ってあると思ったんですよね。それがおそらく足を抱え込んで座るということ。一緒に生活し、一緒に生きていける意味合いになっているのかなぁと感じました。
意味合いが異なっていたら恥ずかしいですが、この行為をしている衛藤美彩がまずかわいいから見てくれよという思いです。1人でたい焼きを営む女性って、強くなければいけないと思います。実際に、「強いよ」という台詞も出てきます。それでも、抱え込んで座る=小さくなる=弱い一面と考えてもいいのかなと考えました。
⑧ラストに繋がる朝焼けの映像と。
「ブロッコリーなんて見たくもないよ」と行助が言って、家を出てしまうこよみ。こよみを追って辿り着いた場所は、とある川原。この川原で、2人は朝焼けを眺めます。そのときには雨も上がっています。空がきれいに、2人に日が差すように、2人を支えるように光が放たれます。きっと2人はこのこと忘れないだろう。日々の思いとして残っていくだろう。雨あがりのあの景色を。
このシーンは実に綺麗なシーンでもあるのですが、ナレーション有り(※視覚障害者用です。あまり障害者という表現が好きではないのでナレーションにさせてもらいます。)で観ることをオススメしたいです。ナレーションに「膝を抱えまっすぐみるこよみ。二人の見つめる先に広い川。水がすくなく川底が見える。向こう岸には山の斜面に住宅がならぶ。ライトを照らした車がいきかう。なだらかな稜線。紫がかかった雲。そらが茜色にそまる。太陽が金色にかがやく。稜線の向こうに薄明るく街が広がっている。」とあります。目を閉じてイメージしてみてください。画よりも言葉でイメージするともっときれいに思えませんか?
むしろ泣けてきます。行助とこよみが生活してきた道がより広がるような。とてつもなく温かい気持ちになりませんか?
これは、1度映像としてみてから、ナレーション有りで見てください。イメージがガラッと変貌する様を感じて欲しいです。そして、その楽しさや嬉しさを感じることができたそこのあなた。ぜひ、河瀨直美監督作品の「光」を見てください。ナレーションがあることでの意義を感じられます。
そして、このシーンから「目の色」について再び語るこよみに繋がります。
ここまで読んでいただけら、もう一度①を読んでみて欲しいです。私の思いがもっと伝わる気がします。
⑨記憶を保存するのは脳?いや心臓?もしかすると腸?と考えさせてくれる教授とのシーン。
皆さんは記憶は脳であると思いますよね。海馬が記憶を保管する重要な一部です。脳が萎縮することや、脳梗塞を繰り返すこと、レビー小体などなど、人の記憶には主に脳が関わっています。他にも心臓移植してから、苦手だったピーマンが食べられたという症例もあり、実は心臓にも記憶が残っていると考えられます。また、人間は消化器官から少しずつ作られていきます。そのため、美味しいもの、まずいもの、食したら危険なものがわかります。それはきっと記憶、エラーを知っている可能性が考えられます。
教授と消化器官が記憶している可能性について会話するシーンがあります。
だからきっと、たい焼きの味を忘れないだろうと思います。行助と一緒に夜空を見ながら食べた、たい焼きの味と、初めて一緒に食べた、たい焼きの味を。ずっと覚えているのかなぁと思わせてくれました。
⑩最後に、ここだけは共感してほしい。衛藤美彩の「しゃあしいな」と発するシーン。
この台詞は小説にはありません。「しゃあしいな」は衛藤美彩へのあてがきとなっています。酔っぱらいの親父が、たい焼き屋の近くに置いてある自転車を蹴り飛ばすときに「しゃあしいな」と言います。博多弁ですね。こよみは九州出身です。しかし、映画の中で方言が出ることはありません。唯一このシーンだけ博多弁を発します。博多弁女子って可愛いですよね。生で聞いてみたい。それは置いといて、女性らしさと、女性が1人でたい焼き屋を営むゆえに強さを印象付けるシーンであったと思いました。
衛藤美彩の「しゃあしいな」は、おそらくこの映画だけでしか見れません。
5.「静かな雨」の監督中川龍太郎と合わせて語りたい。
私は中川龍太郎監督作品が大好きです。最初に見たのは「四月の永い夢」で、世界観や価値観や雰囲気というふんわりとした概念と直感で彼の作品にのめり込みました。彼の作品は、【面白い!】や【面白くない】という分類で分けれるような作品ではありません。見た後の【道徳観】や【人生観】や【アイデンティティ】を養う映画だと思っています。「わたしは光をにぎっている」や「走れ、絶望に追いつかれない速さで」、「愛の小さな歴史」、「雨粒の小さな歴史」など、どの作品においても共通していることがあると思っています。それは、主人公が言葉や表情で中々自分の思いを表面化しないことだと思います。色んなことに対して、思っている気持ちがあるけれど、それを対相手に伝えることがあまりない傾向が見受けられます。私はそれがすごく自分に合っているなぁと感じています。相手を知る上で、自分を出すより、対相手がどう考えているかという思考が先に働ているのが好きだからです。自分を表面化させない分、考える力が働きます。このシーンで、この台詞で、この表情で、この背景、この景色について、どんな意味合いがあるのだろうかと考えさせてくれます。映画というより詩に近い表現力をもっていると思えます。他の映画には見られない、奥深さや奥ゆかしさといった言葉が似合う映画は、中川龍太郎監督にしかできない圧倒的強みです。若手の映画監督ですが、歴代の有名監督に負けない彼のオリジナリティが私の感性に響いてくるのです。私の表現力と文章力と語彙力が高まっても彼を表現できないでしょうけど。
今回は原作ありきの作品でした。「静かな雨」著者宮下奈都です。原作ありきでもここまで語りたくなるほどの力量とポテンシャルを維持した中川龍太郎監督はこれからも期待できる、楽しみになる作品を作ってくれるだろうと思います。
ただ、原作には、行助の背景がもっと書いてあって、こよみについてももう少し書いているのでそこは表現して欲しかった思いがあります。絶対に行助のおねぇさんは良い人。そして、こよみと仲良くなって楽しく話すシーンがあってもいいなぁ。おねぇさん役には朝倉あきがいいなぁ。夏帆もいいかも。ベッキーもいいかな。黒木華もいいかも。
6.まとめ
私が語彙力がなく、文章だけで表現する能力がないことをわかっているのですが、映画「静かな雨」を語らずにはいられませんでした。 久しぶりに、語りたくて書き綴ってみましたが、書いていると、どんどん好きなシーンが出てきて、書きたらないです。もっと、語彙力と表現力が欲しい。でも、ブロッコリーなんか食べてやるよ。あと、たい焼きも食べたい。
7.余談・・・
この映画に合わせて、ぜひ見て欲しい映画のタイトルを羅列します。
本作品を見た時に、感じた作品集です。どのシーンで感じるかはあなた次第ですが、どの作品も面白いです。
■邦画編
・わたしは光をにぎっている
・四月物語
・光(河瀨直美監督)
・天気の子
・いちごの唄
・おおかみこども雨と雪
■洋画編
・ラブストーリー
・ビューティフルマインド
・アバウトタイム~愛おしい時間について~
映画 ヲタクに恋は難しい どうしても色々拭いきれないが語りたい
映画 ヲタクに恋は難しい 感想と分析について。
〇前置きで語りたい。
ところで、皆さまは福田雄一監督は好きでしょうか?
彼の作品は映画にとどまらず、ドラマや舞台といった側面でも活躍しています。
2018年に公開した「銀魂2 掟は破るためにこそある」において、累計興行収入で35億円を突破し、シリーズ累計動員数は560万人に達しています。2018年公開の邦画実写作品としては「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(西浦正記監督)、「万引き家族」(是枝裕和監督)に次ぐ3位となり、彼をさらに有名にし、ヒットメーカーと言われるゆえんだと考えています。
私は彼のオリジナル作品「明烏」「女子ーズ」を好んでいましたが、近年実写化やリメイク作品が多い中、「50回目のファーストキス」を彼が担当した時にマイナスイメージを生んでしまいました。オリジナルの「50回目のファースト・キス」が好きなため非常にコメディロマンス映画を捉え間違っているのではないだろうかと思いました。同じハワイで撮影したのに、天体観測が好きな主人公は許せても、佐藤二朗やムロツヨシの存在が雰囲気を壊し気味だったなぁと思います。不必要な点でコメディを多く盛り込みすぎたのでしょう、オリジナルとはかけはなれ、あまり良い感触を得られた映画ではなかったことは確かです。安いコメディを作る才能はあるんだなと皮肉めいた印象を持ち始めてしまうきっかけでしたね。
福田雄一監督好きの人には申し訳ない記事内容になっています。あくまで批判ではないです。今まで好きな映画を好きなように記事にしていましたが、たまには苦手な監督部門で自分なりの評価や分析をできたらいいと思い書いてみました。不快感を与えてしまった場合は大変申し訳ありません。では述べていきたいと思います。そもそも誰も読んでいないだろうから不快も何もないよね。
1.鑑賞前のモチベーションについて。
福田雄一監督という時点でモチベーションは低い。コメディを作る要素では有能かもしれないが、映画という観点では凡才以下という印象だからです。コメディを愛していて、映画への愛が薄いというか、【観客が見たいものを作っているのはわかっている感】【観客はこういうコメディを求めているんだろ感】が伝わってしまいます。全く根拠がない言い分です。完全な偏見ですよね。オリジナルなら好きですが、実写化や原作ありきだと、必要以上のコメディを出したがる感じかな。
面白さって、表や裏、浅深の度合い、皮肉さ、意味深なメッセージ性とかあると思うのですが、あくまで表面上で笑いをとっているスタンスなんです。
じゃあなぜ見るのか。見ようと思ったのかと言いますと。2点の理由があります。
1点目は原作とアニメが私の好みだったから、実写化も一応見ておこうという程度です。
2点目はミュージカル映画好きでもあり、監督の描きたいミュージカル映画を知りたいという好奇心もあったからです。
2.本作の物語について。
26歳OLの桃瀬成海は、転職先の会社で幼なじみの二藤宏嵩と再会する。ルックスが良く仕事もできる宏嵩は、実は重度のゲームヲタク。そして成海もまた、マンガやゲーム、コスプレ、そして何よりBLを愛する腐女子だった。周囲にヲタクだとバレる「ヲタバレ」を恐れている成海は、普段は本性を隠している「隠れ腐女子」だったが、ヲタク仲間の宏嵩の前では本当の自分をさらけ出すことができた。やがて、ヲタク同士ならば快適に付き合えるのではないかという宏嵩の提案もあり、2人は付き合うことになるのだが……。
3.本作の感想について。
・(;^ω^)「はじめのくだり・・・・・笑えない」
・(;^ω^)「これはミュージカル映画なのだろうか?」
・(;^ω^)「うん、斎藤工だけ、俺の好みの感じだった。」
・(;^ω^)「ラ・ラ・ランド、大好きなんだけど。悪いいじり方だなぁ。」
・(;^ω^)「ラ・ラ・ランド、馬鹿にされている気持ちになったなぁ。」
ヲタク風な顔文字を使ってみましたよ。
ヲタクの人にわかりすぎる映画にはせず、一般の人にも見てもらいたい気持ちは伝わりましたよ。
ある意味神映画なのかもしれない。皮肉な意味合いを込めてね。
ヲタクって気持ち悪いなぁと外国人はさらに思うだろうね。
できれば「キャッツ」を批評した人たちがどう捉えてくれるのか聞いてみたい。逆に褒めるかもしれないね。
ヲタク特有の恋愛に求める条件や、隠したいトラウマがあって、そのカップルがもがく様に、キュンキュンして、ときに笑って、ときに泣いてしまうような共感があるのです。
だからこそ、ミュージカル映画ではなく、人間ドラマに焦点を置くべきだったのではないでしょうか。
福田監督も悩んだ末で、ミュージカル映画という発想に至ったのだと思います。
それはある意味、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」の山崎貴と同類の発想だと考えられる。最初は、山崎貴さえ、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を監督する際、難しいと悩んだ末にあのラストの展開ならありだと思ったようです。
批判ではないですよ。凡才の私がより良い展開やワンアイデアはありませんからね。そう考えると批評家は映画作ってないくせによく喋るなぁと思いますね。
4.本作の長所について。
〇長所
①斎藤工の新しい一面に出会える。
斎藤工の、ラ・ラ・ランドの有名な見どころの様なタップダンスが見事。ダンスが苦手な斎藤工が頑張りましたよ。なんか、序盤から後半にかけて見てきたミュージカルシーンとは一風違ったと思います。斎藤工の正統派なミュージカル映画を見てみたいと思わせるほどカッコよかったです。
斎藤工ファンには必須だと思います。カッコ悪い演技をカッコ良く演じているのがすごいですね。
本当にミュージカル映画としてありえないほどに「踊らないか。」と台詞をいう斎藤工の演技はダサカッコイイと思えた。それまで彼女の愚痴を言いながら口からいっぱいつまみが出てくること。あれは少し笑えた。
②鷺巣詩郎の無駄遣い。
作曲家、編曲家、プロデューサーです。
私はエヴァで知りましたね。そして、シン・ゴジラですよ。重厚感やシリアス感のある音楽が好きです。
本作では、明らかに「ラ・ラ・ランド」に寄せた感、エヴァで使用したか、シン・ゴジラで使用したであろう音楽が豊富でしたね。
音楽自体はなにも悪くないのです。音楽は秀逸で聞いていてとても愉快な気持ちになりました。音楽を寄せて作るって難しいし、映画に合わせてぶれない雰囲気を保つ役割をよく担ってくれましたと思います。
③カルト的要素あり。
カルト的映画ってご存じでしょうか。史上最低の映画をご存じでしょうか。
それは、トミー・ウィゾー監督の「ザ・ルーム」です。トミー・ウィゾーの悪い意味での傑作は、演技、脚本、撮影といったごく普通の要素をどうしようもなく酷いものにすることで、際限なき熱狂を生み出し、映画製作の王道をひっくり返した。この映画を見た者はあんなフットボールを二度と見たくないと思うだろう。と言われています。
ある意味本作はカルト映画にいつかなってもいいでしょう。いわゆるラジー賞みたいな映画となってもいいでしょう。批判された境地は、新しい映画の開拓となり得るでしょう。長所がないところが、長所なのかもしれません。もしかすると、映画を志す若者に見せて勉強できる素材かもしれませんね。
こうやって考えると自分に合わなかった価値観の映画も少し愛着がわいてくると思いませんか。映画って水ものですから、意外と興行収入はひっくり返る、元をとれて多く貢献する可能性だってありえます。
〇短所
①監督に実写化は難しい。
ところで私的意見を除いた側面において監督として嫌われている理由について絶妙な紹介をします。それは、羽生結弦に対してコメントした件が影響したことがあるのです。羽生結弦選手に関して「これはね、僕がダメなんですね。きっと完璧な人に気後れしてしまうところがある。」と発言したからですね。私的に関しては特に遜色のない個人的意見にも異論も反論もありません。そのあとも謝罪してますし攻める必然性をあまり感じません。炎上してしまったことは事実なんです。
まぁ、そんなことは置いといて実写化についてですね。
彼はこう語っています。【実写化にあたって、福田監督が最初に考えるのは、原作ファンがその作品を愛する理由だという。「この原作がなぜ愛されているのか、なぜこの原作にこんなに熱狂するのかということをものすごく勉強しますね。それがちゃんと理解できていれば、絶対踏み外さない自信はあるんです」と明かしています。
「本当に好きな人たちのツボは、僕と全く違うところにあったりするんです」という福田監督。そのため、原作ファンに「何が面白くて読んでいたの?」と実際に話を聞いて回るなどして徹底的に愛される理由を勉強するのだと。
そうしてファンの原作への愛を探求していくと、「実写化においてやらなければいけないことではなくて、『やっちゃいけないこと』が見えてくる」という。「逆に、やらなきゃいけないことを考えてしまうと、つまらないものになってしまうんです。僕の面白みが出せなくなる。実写化をするとなると、キャストやストーリーの展開も含めて絶対的に原作通りにはなりません。だからこそ、『これだけはやっちゃいけない』ということを肝に銘じておけば、原作のファンの方にもご満足いただけるし、僕のアレンジによって、原作を全く知らない方にも楽しんでいただける」とこだわりを語る。】
この様に立派な演説をされていますが、彼の感性と見ている側の感性は異なる、特にコメディという要素では異なる可能性が高いのです。
②監督にミュージカル映画は難しい。
ミュージカル映画って難しいのです。 三池崇史監督する「愛と誠」のミュージカルは滑ってましたからね。それでも三池監督なりのミュージカル愛は伝わりましたけどね。おそらく映画人としてのプライドを最低限は魅してくれたのだと思えますよ。しかし、福田監督のミュージカル映画の価値観はねぇ。ちょっと、観ている側としては微妙ですよね。「舞子はレディ」や「ダンス・ウィズ・ミー」の様な作品はミュージカル愛すらも伝わりますからね。なんなら、「108~海馬五郎の復讐と冒険~」のラ・ラ・ランド先輩の方がかなりエグイ角度からの愛は伝わりましたからね。いじるってこういうことよ。だから、松尾スズキの映画で笑えるところ大好き。
③ ヲタクを理解することは難しい。
ヲタク寄りにしすぎると本作は必ず傾くでしょう。原作も割とライトヲタクだと思います。しかし、ディープなヲタクの心もくすぐるようなネタが仕込まれています。本作の映画でもディープな側面はあったと思いますが、如何せんコスプレの完成度の低さや役者のヲタク感はやや弱い印象。ゆえに自分の価値観で見ることが難しい映画なのかもしれませんね。
5.本作の評価について。
映画.com (☆2.4)
Yahoo!JAPAN映画(☆2.91)
Filmarks (☆3.1)
coco映画レビュー(満足度23%)
ぴあ映画生活(68点)
ぴあ映画生活初日満足度(8位)
6.本作を見に来てくれそうな人達について。
①いわゆるライトなヲタク。漫画、アニメのファン層。
①-1 具体的にヲタクと言われる人口はどれくらいいるのだろうか?について考えます。
まずヲタクの意味には明確な定義はないです。「ポップカルチャーの愛好家を指す」や「特定の分野に極端に傾倒する人々を指す呼称」などと言われています。ヲタクは幅広く、アニメオタ、アイドルオタ、コスプレイヤーなどなどあります。様々な分野でヲタクは存在するため、具体的な人口層を知るには不確定要素が多くあります。
矢野経済研究所が「オタクに関する消費者アンケート調査(2018)」の結果を公表しているを参考にします。この調査は日本に居住する15歳から69歳の男女約1万人を対象にして行い、オタクであるかどうか、分野は何かの同定は自己申告制で行われています。
推計結果によるとオタクの人口は1866万人です。男女比は6:4です。分野別に見ると、「漫画」が640万人と最も多く、次いで多いのが「アニメ」で598万人です。
①ー2 「漫画」層640万人に焦点をあてます。
・作の作者は「ふじた」さんになります。Twitterフォロワー数は17万人になります。
・累計発行部数は900万部を突破しています。
・2014年にpixivへの投稿が開始されオリジナル漫画の中で歴代1位のブックマーク数を記録しています。
・書籍化以前から、オタク趣味を持つ女性たちから広く共感を得ており、2014年に創設された次にくるマンガ大賞では「本にして欲しいWebマンガ部門」の1位になっています。書籍化が実現した2015年には、『このマンガがすごい!』でオンナ編の1位に輝いています。
上記のことから、圧倒的な女性ファンが集っていることが考えられます。「漫画」に相応しい、もしくはそれ以上の可能性を秘めているとしたら、この圧倒的な女性ファンの支持を得られると考えれます。
①ー3 「アニメ」層598万人に焦点をあてます。
TVアニメ「ヲタクに恋は難しい」の公式Twitterフォロワー数は6.6万人になります。
・gooランキングにおいて、これは外せない!4月スタートの「深夜アニメ」ランキング2位です(2018年度)。
・同じくgooランキングにおいて、最高だった!6月終了の「深夜アニメ」ランキング3位です(2018年度)。
上記のことから、期待度と結果はほぼ等しい関係性にあります。2位から3位に下がっているではないかと思いますよね。しかし、放送前のアニメ情報と見た後の感動は等しいと言えるのは、期待値を裏切らずにも、しっかり原作好きにも納得できていると考えたからです。原作よりアニメがひどければもっとランキング下位になっていたと思われます。
・同じくgooランキングにおいて、めちゃくちゃ沁みる恋愛アニメランキング第6位に上がっています。CLANNADや俺物語!!やママレード・ボーイの上にいます。
アニメになっても、需要価値があると考えられます。
①ー4 ヲタクが使う消費金額について。
・1人当たりの年間消費金額をみると、「アイドル」が10万3543円で唯一10万円を超えています。2位の「メイド・コスプレ」の6万8114万円を大きく引き離しています。
・「アイドル」の推定人数は280万人で「漫画」、「アニメ」に次ぐ3位となります。「漫画」、「アニメ」の消費金額はそれぞれ2万541円と2万308円です。
・人数と金額を掛け合わせて市場規模を計算すると、「アイドル」が約2899億円で、「漫画」が1315億円、「アニメ」が1214億円となり、「アイドル」が市場規模としては断トツで大きいのです。
・消費者としてのオタクの属性を見ると、20代から30代がボリュームゾーンで、未婚者で現在恋人がいない者が半数を超え、世帯収入は「300~500万円未満」がピークとなっています。
上記はいわゆる、ヲタクによるお布施=愛を示していると私は考えています。その分野において、遠征費とグッズまたは関連商品および物販が金銭を動かしているのでしょうか。20代から30代で未婚というのは、一番お金に融通が利くと考えられます。だからこそ、このヲタク層に来てもらうことが重要だと考えます。
①ー5 本作におけるヲタクのまとめについて。
20代ー30代の未婚の方が主なターゲット層、見に来て欲しい層だと考えます。漫画とアニメに絶対的な層をまずは裏切らず、そして口コミを多く広めることで本作の興行収入が左右されると考えます。
②豪華なキャスト陣が好きな層。
②ー1 山崎賢人について。
二藤宏嵩役の山﨑賢人のInstagramフォロワー数は350万人です。
山﨑賢人はTwitterがないので、オフィシャルブログでは18万99人です。
・2016年度女性ファッション誌「ViVi」(講談社)の6月号で、「国宝級イケメンランキング」が発表され、俳優の山崎賢人が「NOWイケメン」の1位です
・2019年度、【美しさ国宝級】日本一顔面が整っているU25の男性芸能人ランキングにおいて2位です。
・2019年度、最も「演技力」が高い20代俳優ランキングにおいて7位です。
・2019年度、 芸能界一!爽やかイケメンランキング8位です。
・2019年度、オフィスにいてほしい!若手俳優ランキング1位です。「こんなにかわいくてフレッシュな部下がほしい」「オフィスにいたら最高の目の保養になる」という意見が多いです。
上記のことから考えられることは、清潔感があり、イケメンで、流行りの俳優であるこことが確実に言えます。本作では26歳のサラリーマン役であり、アンケートの希望通りの役を劇場で見ることができるわけですね。イメージ通りの結果を劇場で体験できることで、原作やアニメファンとは違った視点で、山崎賢人ファンが口コミを広げると本作はより伸びる可能性が秘めているのです。歌が下手で有名な俳優ですが、本作に臨みかなり歌唱力を向上しつつも、ミュージカルも成立させてしまった、彼の役者魂!には必見の価値ありかもですね。ぜひ、「好きなことしてるときの成海が大好きなので。」を聞きたいですね。原作でも必須な名言です。
②ー2 高畑充希について。
桃瀬成海役の高畑充希のTwitterフォロワー数は54万人です。
Instagramフォロワー数は、249万人です。
オフィシャルブログにおいては、3万5千10人です。流石キャリアが豊富な女優だと
言えます。
・2019年度、歌唱力が高い女優ランキング3位です。1位は松たか子、2位は柴咲コウに次いでです。
・2019年度、振り切ってる!最高のコメディエンヌランキング7位です。長澤まさみや吉高由里子や石原さとみを抜いてです。すごいランキングだと思えませんか。
上記のことから考えられることは、歌唱力を認められ、コメディとしての才能も突出していると言えますよね。本作における絶妙なコメディの引き出しと、ミュージカルもこなせる女優、それは高畑充希と言っていいでじょう。彼女のフォロワーも反応して、こぞって本作を見に来ることは間違いなし。上映までに彼女の魅力をYouTubeまたは予告、CMで流すことが非常にkeyになると言えます。本作の屋台骨は高畑充希の安定感によると考えます。
②ー3 斎藤工について。
・2016年度、男性に聞いた、男性からの好感度は低いのに「なぜか女性からは人気がある」と思う男性芸能人ランキング9位です。
・2019年度、正直一番かっこいい!30代俳優ランキング2位です。“エロかっこいい”と大人気、濃厚なラブシーンでの厚みある唇、低音の声、そして鍛え上げられた肉体美を披露し、多くの女性をとりこにしています。
・芸能界一の個性派イケメンランキング4位です。
・2018年度、おかゆをフーフーして食べさせてほしい男性芸能人ランキング3位です。これは樺倉が彼女に優しくしているシチュエーションだと妄想すれば堪らない。
・2017年度、初夢に出てきてほしい!30代イケメン俳優ランキング2位です。
・2017年度、女性に聞いた!抱かれたい男ランキング1位です。
・2016年度、耳元で囁かれたら昇天レベル!「いい声」すぎる男性芸能人ランキング4位です。
・2016年度、たまらん!大人の色気がにじみ出ちゃってる男性芸能人ランキング1位です。これは樺倉要素が強いかもしれませんよ。
・2015年度、女性に聞いた!キスしたい魅力的な唇の男性芸能人ランキング 1位です。
・アニメ「ヲタクに恋は難しい」キャラクター人気投票&ランキング1位は、樺倉太郎です。
上記のことから言えることは、まず樺倉太郎について考えます。強面だが、真面目で面倒見がいいが、デリカシーが無い人キャラクターです。斎藤工が演じるにはもってこいの役柄ではないでしょうか。上記のランキングを見る限り、彼が照れ臭そうに演じることで萌える要素が高まることが予想されます。斎藤工が彼女に優しくする場面はどれも胸キュンするでしょう。悶えるでしょう。樺倉というキャラクターを存分に活かすことができるでしょう。
②ー4 菜々緒について。
小柳花子役の菜々緒のTwitterフォロワー数は91万8千人です。
Instagramフォロワー数は252万人です。
オフィシャルブログにおいては、9万4829人です。
本作の演技者の中で、ずば抜けてフォロワー数が多いと言えます。それは彼女の美貌または彼女の演技力、または彼女の人間としての魅力と言えるのでしょうか。裏の屋台骨は彼女の存在と言っても過言ではないでしょう。
・2019年度、目ヂカラがハンパない女性芸能人ランキング3位です。
・2019年度、クールビューティーだと思う女優ランキング3位です。
・2018年度、美脚だと思う20代の女性芸能人ランキング2位です。
・2018年度、主演より脇役で光る20代の美人女優ランキング1位です。
・2018年度、最も美しいボディラインを持つ筋トレ女子ランキング2位です。
上記のことから言えることは、本作の小柳花子あコスプレイヤーです。つまり容姿がある程度整いつつ、あとはフォトショ等様々な手法で盛り、2次元を活かす役どころにあると考えます。その上でこのランキングは非常に有益な情報ではないでしょうか。彼女がコスプレイヤー役を努める意義すら感じます。前情報では批判的な意見があり、菜々緒のボディを活かすならもっとコスプレイヤーとしての完成度を上げられるという意見がありましたね。そこはやはりヲタクならではのこだわりと受け取っていいでしょう。
③実写化の期待度、胸が高まり指数、監督を支援する層について。
これは大まかな人口を把握する上での指標になります。
③ー1 映画公式Twitterのフォロワー数について。
4万人のフォロワー数になります。
③ー2 福田雄一監督のフォロワー数について。
Twitterのフォロワー数は35万9千人になります。
好き嫌い.comにおいて福田雄一の好感度は半々にあります。
とある方で、福田雄一監督を支えてきた俳優陣は、ムロツヨシです。福田組と言って過言ではない彼の存在は、福田監督作品において22回の出演をしているいわゆるベテラン俳優です。
それじゃあ、ムロツヨシの好感度および人気度はどのくらいなのでしょうか?
Instagramフォロワー数は、278万人です。
菜々緒を超えている時点で気味悪いというか、なんでお前が超えているのと思う一面です。しかし、彼の演技力が見出した魅力です。
佐藤二朗も福田組の大黒柱かもしれません。ふざけていません。彼は常にふざいけていますけど。
そんな佐藤二朗もTwitterフォロワー数は168万人です。
なぜ、菜々緒より多い。売れている若手イケメンよりふざけているくせに、かっこよくもないくせに、なぜこれだけフォロワー数が多いのだ。
以上をおいて、監督は役者人に支えられているのでしょうね。
ちなみに、彼を支えている俳優陣において欠かせない存在といえば、北海道でも愛されている某チームの安田顕さんですよね、
Instagramフォロワー数は27万人です。彼は本作に出ることはないのですか、地元のチームナックスは応援してくてついつい書いてしまいました。
③ー3 本作の期待度について。
・国内最大級の映画チケット予約サービス「映画ランド」は、サービス内のデータに基づいた来週公開映画(2020年2月第1週公開作品)の「新作期待度ランキング TOP5」1位です。
・2020年冬(1月~3月)注目のメディア化作品の実施に際して、読書好き638名を対象に行った、<2020年 冬のメディア化作品期待度><2019年 秋のメディア化作品満足度>アンケートの結果を1位に本作です。
上記を総評して、言えることは前評価としてすごく好感度が高いと考えられます。監督はこの期待度をどう乗り越えるかですね。
7.本作の楽しむポイントについて。
①斎藤工をガンガン押していこう!!
S気質のある演技から酒に飲まれつつも、唐突に踊ってしまいながらも、部下の面倒見が良い。この要素で映画を少しは楽しめるぞ!
②音楽を純粋に楽しもう!
本作の音楽性は一見の価値はあります。自分の好きな音楽を1つでもいいから探してみよう。
③自分の新しい価値観を開拓していこう!否定的な目で見ないで、結果としてつまんなくても社会の中には意外とこういう人で溢れているからね。
8.まとめ
自分なりに分析してみましたが、映画の楽しみ方は人それぞれということで。でもこの記事を見たら「キャッツ」って実は面白いのかもと思ってくれたら幸いです。
なんと、2月7日に公開された本作。公開初日(7日・金)は動員5万4千人・興収7千百万円、翌8日(土)は7万9千人・1億8百万円、9日(日)は8万9千人・1億2千万円となり、初日から3日間の合計で動員22万3千人・興収3億円を突破する好発進となっています。さすが東宝でしょうかね。映画好きと一般との格差は広がっていくかも?
映画 ジョジョ・ラビット ジュブナイル映画としても最高だから語りたい
映画 ジョジョ・ラビットを語りたい
1.感想を言いたい。
・素晴らしかった。
・泣いた。
・☆5つ。
・マイベスト映画。
・ジョジョ、エルサ頑張って生きて!
・ロージーの愛は偉大。
・キャプテンKお前を愛している。
・自由だから俺もダンスしたい。
これだけです。細かくはあとで語りたい。
2.本作のあらすじを言いたい。
第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった。
3.キャスト陣および監督を言いたい。
〇エルサ=トーマシン・マッケンジー
〇ヨーキー=アーチー・イェーツ
〇ロージー=スカーレット・ヨハンソン
〇ディエルツ大尉=スティーブン・マーチャント
〇ミスラーム=レベル・ウィルソン
〇クレンツェンドルフ大尉=サム・ロックウェル
4.本作のおすすめしたいポイントを紹介したい。
顔文字を使っているのは有り余る感情をどうにか文字以上に残したいからだ!(意気込みです。)
①ジョジョの成長(*´▽`*)
本作の主軸はジョジョの成長にあります。ジョジョの成長を見届けるスタンスで見始めるため、彼が何を正しいか、何が間違っているかという物差しを彼なりに身につける姿は、10歳ながらのもがき、10歳ならではの恋、10歳ならではの向上心(戦争で成果を残したい)を応援したくなります。戦争やナチスやユダヤ人迫害という背景から、自分が信じてきてナチスの精神に疑問をもち、イマジナリーフレンドにも違和感を感じ始め、ユダヤ人少女のエルサとの出会いから、少しずつ変わっていく気持ちの過程が見どころです。
①-1、ジョジョ役について。
ジョジョ役は【ローマン・グリフィン・デイビス】です。彼は本作が初出演です。オーディション時は11歳。彼の母は脚本家、父は「スリー・ビルボード」の撮影監督です。監督が1000本以上のオーディション動画の中で彼を見た時に一瞬で決めています。監督の心を射止めた彼は、幼くも生意気で意識高い系でありながら、臆病で靴紐を結ぶことができないし母親が大好きで姉が大好きであるという演技を見事に演じています。
ところでそんな母親は息子のローマンがナチの衣装を着た時に泣いたという話があります。その時代においては、ナチの制服を着ることは誇りと称さなければならない、いやそうしなければ非国民という社会だったということです。日本でも戦争行くときは応援するという背景があります。国が違っても子供が戦争に行く悲しさ、産んだ子を戦地に送る辛さを間接的に味わうという感じです。良い母親だと思う側面と国は違えど戦争を良くない、差別や迫害を良くないと思っていると感じれてパンフレットの好きな一文です。
①ー2、ジョジョの成長過程について。
ここで、【エリクソンの発達段階】を用いて掘り下げます。
児童期・学齢期(6歳~12歳):勤勉性vs劣等感と定義しています。
入学し知識や技術を学習したり友達を作ります。勤勉性とは、社会に関心を示して自発的に加わります。児童期・学童期にいくら頑張ってもうまくいかず、周囲に認められない経験が積み重なると、自信を無くして劣等感を募らせていきます。
ジョジョは10歳にして、ヒトラーユーゲントの立派な兵士になろうと志します。空想上の友人アドルフより、「お前はひ弱で人気もない。だが、ナチスへの忠誠心はピカイチだ。」と言われ、ハイルヒトラーのボーズで街を駆け巡ります。勤勉性が象徴されています。しかし、ヒトラーユーゲントの合宿そこでジョジョはウサギを殺すことができないため、あだ名として【ジョジョ・ラビット】と虐められます。エリクソンの定義と合わせると劣等感が生じていると考えます。新しい社会で周囲に認められないという課題にまさにぶつかっています。
要するに、戦争という背景に限らず、誰もが10代の時に経験している、成長過程において通過儀礼のようなものなんです。戦争という背景なしでもまず思い出してしまう、共感を生んでしまい、応援したくなります。ここで一気に映像に引き込まれるのです。
●余談ですが、映画【スタンド・バイ・ミー】もジュブナイル映画の名作といって過言ではないです。彼たちもこの発達段階の中で格闘しています。
①ー3、ジョジョの靴紐について。
ジョジョは、靴紐を結べないので、母親ロージーに結んでもらいます。足元及び靴を映すアングルが多いのは伏線であり、物語のkeypointと言っていいと思います。私事ですが10歳までまともに紐を結ぶことができずいつも適当にしていましてね、それを見かねた母親または姉が結んでくれていたこともあり、奇妙な実体験を通していて、よりジョジョへ関心を寄せてしまいました。因みに確かな根拠は薄いのですが、おおよそ7歳程度で靴紐は結べるのが一般的だそうです。
脱線しましたが、上記で言ったように靴紐を結ぶというのは1つの成長過程なんです。母親ロージーに結んでもらえる喜びはありましたが、物語後半になり、母親のある事実が発覚し悲惨な結末を終えます。その際、母親の靴紐がほどけているのを見て、いつも母親がしてくれていたように靴紐を結ぼうとしてもできません。途方にくれながらも、戦争は続きます。ついにドイツ軍は窮地を迎えます。ヒトラーの拳銃自殺、アメリカ軍等の進行により綺麗だったドイツの都市も崩壊します。ドイツ軍は敗退し、ユダヤ人少女のエルサは自由を得ることができます。母親も父親も姉もいないジョジョは、エルサがいなくなることが寂しいだからドイツ軍が勝ったことにしたいと葛藤します。エルサには本当のことを打ち明けず、脱出作戦という建て前で外にでる準備をするように言います。エルサの靴紐がほどけているのに気づき、ジョジョは靴紐を丁寧に結びます。結ぶことができます。ここに彼の成長と新しい成長過程の始まりと困難が起こるという、期待と不安が入り混じった雰囲気を匂わせます。ぜひ、靴紐の過程は見てほしいです。
●余談ですが、靴紐といえば、靴紐のビルですよね。映画【パイレーツ・オブ・カリビアン】
①ー4、ジョジョの恋心について。
ジョジョは、母親ロージーの愛について意見を突っぱねます。母親ロージーは、10歳の少年らしく色々な経験をして成長してほしい、戦争なんてなければいい、などと思いジョジョに、愛が偉大なんだ、お腹に蝶々がいっぱいになる感じだと説明します。10歳だからこそ分からないし、恋愛ではなく今は戦争で勝つことが大事だという思いとナチズムの洗脳がかかっています。しかし、ユダヤ人少女のエルサとの関わりから少しずつ、ユダヤ人ではなく、彼女に興味を持ち始めます。不思議と彼女が書く絵、時折見せる笑顔や辛い表情に胸を打たれていきます。当初はユダヤ人だから絶対悪と認識しているため、彼女のフィアンセであるネイサンのふりして、嫌いであると嘘の手紙を書きます。手紙を読み聞かせられたエルサは涙を流します。すぐさまに、好きであるという手紙を書き彼女に伝えます。罪悪感なんでしょうけど、姉と似ている故に酷いことをしたと認識し、謝りたくないけど、悲しませたままで終わりたくないという思いです。ジョジョの可愛さがあり、エルサと少しずつ心を通わせるきっかけとなります。
手紙のやり取りから、ジョジョのお腹には蝶々がいっぱいになります。確か、垢だらけといったエルサにお風呂を入れてあげるシーンで描かれているはずです。蝶々=恋や愛なんです。見えないものを具体化しているんです。
蝶々のくだりで印象的なのは、母親ロージーが悲惨な結末を迎えた時です。ジョジョが歩いていると蝶々が出てきて、それを追いかけた先に母親がいるのです。このシーンは泣きますので、せひ劇場で見てほしいです。そして、蝶々を意識していると納得できると思います。
●余談ですが、やっぱり手紙を使うというのは効果的です。映画【ラストレター】でも同様のことを想いましたが、映画【グリーン・ブック】でも奥さんに書く手紙をドクター・シャーリーがゴーストライターするわけですね。手紙=ロマンチックで、映画として好きな要素というか好きなシークエンスです。
①-5、ジョジョのイマジナリーフレンドアドルフについて。
アドルフは良くも悪くも、ジョジョの成長する場面で出てきます。ほとんどがナチズムのこじつけ、時に彼を鼓舞し安心させるも、それはすでにヒトラーの洗脳となんら変わりないのです。そもそもヒトラーの青年期はどのような人だったのかという点で掘り下げます。根拠は各自で調べて欲しいのですが、ヒトラーは誇大妄想でワグナーと対話していたとのこと。また、敵のガス攻撃におびえていたとのこと。一方ジョジョは訓練で怯え、イマジナリーフレンドと対話しています。つまり、ジョジョ=ヒトラーの児童期、またはヒトラーの卵である要素が強いと言えます。
ジョジョは物語の後半にかけて、イマジナリーフレンドであるアドルフに疑問を感じ、最終的にはヒトラーくたばれと言ってぶっ飛ばします。これも成長過程ではあるのですが、監督タイカ・ワイティティのテクニックが際立ったシーンでもあります。イマジナリーフレンドに頼らなくても生きていける、正しい事は母親と父親と姉とキャプテンKとエルサ、生きている人から教えてもらったんだという意思表示だと言えます。母親ロージーは不安ながらも少し安心して彼の成長を見守れますね。
●余談ですが、イマジナリーフレンドとは違いますが、映画【ビック・フィッシュ】を彷彿させられます。父親の話を聞いて育つ息子との関係性について描いたティム・バートンの名作です。雰囲気が似ていると思うんです。また映画【ビック・フィッシュ】を話すと、東京の映画bar「ビック・フィッシュ」を思い出しますね。今年もできたら行きたいけど( ^ω^)・・・
②母親ロージーの愛(^_-)-☆
②ー1、ロージーのダンスについて。
母親ロージーで印象的なのは、口元をチッっと鳴らしながらウィンクするシーンですね。シングルマザーでジョジョのために必死に守ろうとしています。決して必死な表情はしません。気丈です。善悪の区別がつける大人になれるように、ジョジョに愛について語り、ダンスをします。とある川原でジョジョと話すシーンがあります。①の項目で話している内容ですが愛について語るわけです。その流れで、自転車で帰る前に、ダンスの必要性について教えます。ダンスは自由であること、魂の開放であることを言います。その時は、ジョジョは何を言っているの先に自転車に乗って帰るよという内容を言います。それでも母親の足のステップを見ていたのですね。
ダンスについてはもう一つあります。食事中は中立地帯であるため親子同士の喧嘩はご法度です。しかし、ジョジョはエルサのこと、事故で不具になった息子という劣等感から、父親ならわかると言い放ちます。ロージーは怒り、父親の軍服を着て、暖炉の消し炭でひげをつけ、「母親になんて口をきくんだ。」と怒ります。一方でジョジョのことが大好きだからこそ、父親と母親を両方演じながら、家族でダンスしようと言います。そのダンスシーンが温かくて、戦争中であることを一時忘れさしてくれます。戦時中でも音楽とダンスって大事だなぁと思わせてくれた一面です。
●余談ですが、ダンスと言えば映画【世界にひとつのプレイブック】なんてのも好きです。奥さんの浮気で精神に異常をきたす主人公を演じるのはブラッドリー・クーパーです。ジェニファー・ローレンスも綺麗なんです。
②ー2、ロージーのファッションセンスについて。
とてもファッショナブルです。ロージー自身も綺麗で困るのよと言う始末です。第二次世界大戦の映画は、基本的に茶色や灰色といった衣装を着ていることが多いです。よほどお嬢様でないと白い衣装やファッションを楽しむということは難しいと言えます。しかし、本作においては「今日が最後かもしれない。」という意識があり、いつも一番良い服を着て、化粧をしっかりしていたと思わせます。明るい色やおしゃれなデザインが豊富なため、暗い時代と対照的になり、綺麗なロージーが際立っています。
ましてや、スカーレット・ヨハンソンがロージーを演じているのですから、綺麗×綺麗=無敵なシングルマザーです。
②ー3、女としての生き方について。
シングルマザーでありながら、時にはロマンチストで、時には詩人的です。ユダヤ人のエルサを家で匿っているときも、大人の女性は、お酒を飲み~虎と見つめ合ったりなど大人の女性の在り方について教えます。楽しいことはこれからたくさんあるから、1人になってもエルサに生きてほしいメッセージですね。ユダヤ人1人でも生きていたら、あなたたちの勝利だからと言い続けます。亡くなった娘インゲを彷彿させるエルサに、本当は娘に色々話したかったことを伝えているのかなぁと思います。
③エルサ(ユダヤ)が与えた影響(;''∀'')
③ー1、エルサ役について。
壁に住んでいるユダヤ人と聞いて、思い出すのはもちろん、アンネ・フランクですよね。ジョジョが「壁の住人さん。」と呼ぶシーンがあります。
アンネ・フランクと言えば、1929年~1945年しか生きることができなかった少女です。ドイツを逃れてオランダへ行くが、そこでもユダヤ人の迫害があり本棚の後ろの入り口で住んでいたのは有名な話です。
そんなアンネ・フランクを彷彿させるようなエルサを演じるのは、トーマシン・マッケンジーです。父親は映画監督のスチュワート・マッケンジー、母親は女優のミランダ・ハーコートだそうですが、詳しいことは存じ上げません。19歳の彼女ですが、可愛いです。可愛くて優しくて、少しシニカルな演技も見る側にとって爽快感があります。
③ー2、エルサの置かれた状況について。
父親の友達の伝手によって、ベッツラー(ロージ、ジョジョ、インゲ)宅へ来ます。壁の中の住人として過ごします。母や父は戦争の中におり、フィアンセは結核で亡くします。エルサが「ひざまずいてリルケの詩を言いプロポーズしてくれた。」という話をジョジョにします。ジョジョにとっては面白くない話ですが、エルサに「なにがしたい。」と問うと、「踊りたい。」と言います。踊り=自由になりたいという意味だと考えます。ロージーがダンスについて語っていますので、ジョジョはその意味をある程度理解したと思います。亡くなったフィアンセネイサンを装ったジョジョの手紙に付き合ってあげます。ここは亡くなったインゲの様な、あるいは閉ざされた世界の中での唯一の娯楽だったのかもしれません。ロージーから頑張って生きるように言われ、どうしていいかわからない間の少しの癒しだったのかもと思える一面です。
エルサはジョジョより7歳年上です。年上の女性とは如何にも魅力的な存在なのでしょうか。「キスしてあげようか。」とエルサが言うと、「同情のキスなんていらない。ましてやナチスとユダヤだからできない。」と言います。そのシニカルな演技はまさに萌えポイント、いや失礼、素敵なシークエンスです。ジョジョに真のかっこよさ、人としてのかっこよさを間接的に教えてくれる存在です。ジョジョはエルサのおかげで成長でき、エルサはジョジョのおかげ生きていこうと思える関係性であると考えています。きっと、エルサは面倒見がよく、どこかミステリアスでありながらもロージーの言われたとおり人を信じていこうとしているんです。だからこそ、幼いジョジョを弟として愛していると言っているのだと思えます。
●余談ですが、ジョジョとロージーの関係性って、ボーイ・ミーツ・ガールの要素を強く感じます。例えば映画【小さな恋のメロディ】や映画【はじまりのボーイ・ミーツ・ガール】の様な、男の子が一生懸命頑張る様を女の子が支え、最後はハッピーエンドとは言えないかもしれないけど、2人の物語は続いていくんだという雰囲気がありますよね。
④ヨーキーの丸い存在(*'ω'*)
④ー1、ヨーキー役について。
ヨーキーは、ジョジョの親友役です。あくまで二番目の親友です。序盤のジョジョの親友はあくまでアドルフ・ヒトラーなんです。もし、ヨーキーが皮で中からアドルフ・ヒトラーが出るなら親友1番となるのですが、中身もファットな少年なんです。
そのヨーキー役を努めるのは、アーチー・イェーツです。可愛らしいフォルムに、可愛い表情が印象的な俳優です。なんと、ホーム・アローンのリブート版の主役に抜擢されています。今後の活躍に期待です。
④ー2、ヨーキーの丸い存在感について。
丸いが与える印象にはいくつかあります。円滑で穏やか、永遠、安心感、安全、美しさ、優しさ、広がり、繋がりといったことが印象で伝わると言います。ジョジョの角ばった固定概念を、ヨーキーという存在において時に映画を優しく、時に映画に繋がりを感じさせてくれるのです。ヨーキーがいないとジョジョは成長することができません。また、ジョジョと違って兵士として活躍しなければならない。兵士としての誇りが必要か、恥をかいても生きていくことが大事か、ジョジョが本来進むであろう道を変わりにヨーキーが進んでいるのです。ヨーキーは、戦後に「お母さんにハグされたいよ。」というシーンがあります。泣けますね。それでも、ジョジョに亡くなった母ロージーを偲び「僕も泣いたよ。」と言います。本当に良い友人。他にも、序盤のヒトラーユーゲントで、ジョジョがウサギを殺せないときに、泣いていると思って追いかけます。常に優しい。また、ジョジョが金属物を回収しているときに、久しぶりに再会するときにハグします。ここもまた愛おしいシーンです。片足あげて、「ヨーキー」、「ジョジョ」と言い合います。さらに、ヨーキーは、ジョジョが「ユダヤ人の彼女ができたんだ。」というと否定せずむしろ肯定してあげます。ヨーキーの懐の広さ、ナチスの洗脳に染まらず、善と悪をよく考えている子供なんですね。
●余談ですが、ジョジョとヨーキーの関係性って、映画【ショーン・オブ・ザ・デッド】や映画【ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-】の様な、サイモン・ペッグとニック・フロストの様な関係性に近いと思えます。もっと大きな範囲で言えば、映画【グリーン・ブック】や映画【最強のふたり】をイメージさせます。
⑤キャプテンKの優しさが俺の右目には見えている(;´∀`)
⑤-1、クレンツェンドルフ大尉ことキャプテンK役について。
キャプテンKは、戦地で片目を失い、戦力外通知を受け、ヒトラーユーゲントでの監督を務めることになります。ヒトラーユーゲントにおいて、銃剣や奇襲のかけ方、銃の打ち方、手りゅう弾(ポテトマッシャー)の使い方を教えてます。ところがジョジョがジョジョラビットという不名誉なあだ名をつけられたときに、戦士としての意地をみせつけるため、ポテトマッシャーをもって投げます。しかし、ジョジョの足元にポテトマッシャーが着て自滅し大怪我します。結果顔がピカソの絵またはフランケンシュタインのようになります。そういった経緯からジョジョとの関わりが増えていく役です。
そのクレンツェンドルフ大尉を演じるのは、サム・ロックウェルです。彼は、2018年の第90回アカデミー賞で映画「スリー・ビルボード」で助演男優賞を受賞しています。アの演技はぜひ見てほしい。一方で翌年の「バイス」でのジョージ・W・ブッシュを演じ、常に作品に刺激を加える名俳優と言えます。2枚目の役でもいいのですが、彼が似合うのは3枚目、コメディリリーフが実に似合う俳優です。
サム・ロックウェルを見たいと、サム・ロックウェルを知りたいという方は、ぜひ映画【スリー・ビルボード】、映画【リチャード・ジュエル】、映画【バッド・バディ! 私と彼の暗殺デート】、映画【アラサー女子の恋愛事情】を見ていただけると、彼の豊かな演技力を知ることができると思えます。あえて、【プールサイド・デイズ】を挙げていません。
⑤ー2、キャプテンKの世界について。
キャプテンKは、戦線離脱をやむを得ず、結果ヒトラーユーゲントでの監督を務めていたが、ジョジョの一見で監督不行届で事務職にまで陥ります。しかし、ジョジョに八つ当たりすることもなく、気の向くままに事務職を担っています。ヒトラーユーゲントでは「ドイツ軍は危機であり表面上は優勢と言っている。」という様な台詞があります。彼自身すでにナチスの崩壊を悟っている印象です。故に飄々とした雰囲気なのでしょうか、掴みどころのないキャラクターになっています。本を燃やすシーンでも、虚しさというより儚げな表情をし、すでに敗戦もしくは希望がないような表情をしています。
一方で、フィンケルとも怪しい関係性にあります。スキットル(お酒を入れる容器)を一緒に飲み合い、食べ物をあーんとして挙げたり、シェパードの一見で強く言い過ぎたと慰めようとしたり、一種のLGBTQを思わせる側面があります。もちろん、ナチス政権の時代では同性愛は禁止というより殺害されることもあります。だから公にはなっていません。ただ、そのような側面をもたせていることで、彼もナチスに染まっていないのだと教えてくれます。しかし、ドイツがナチスがしてきたことはわかり、常にジョジョを手助けします。キャプテンKという存在も、ジョジョの成長過程において必要な存在だと言えます。ラストに、ジョジョに対して「お母さんのことは残念だった。良い人だった。」と言い慰め、彼を救うために「ユダヤ人が。」と言い処刑されないように逃がします。彼の様な存在が、ジョジョの世界を広げてくれたのだと思います。ジョジョが大人に対して泣く姿を見せたのはキャプテンKだけです。キャプテンKへの信頼感がよく伝わった一面でしたが、すぐお別れとなるのはとてつもない虚無感と寂しさに追われてしまいます。
⑤ー③、キャプテンKの衣装について。
軍部でジョジョに軍服のデザインを見せるシーンがあります。軍服へのこだわりがあり、風の抵抗を弱める帽子の羽、音楽で敵を弱らせるなど説明しますが、絵は小学生が描いたような出来具合です。ここで示しているのは、キャプテンKの意地と希望かと思えます。小学生のような無邪気な気持ちで、この世界を変えてくれるようなヒーローを描くと派手でカラフルなデザインになったのだと思えます。キャプテンKは気づいていないだろうが、ジョジョにとってヒーローになっていると思えます。だからこそ、キャプテンKの勇姿を画面いっぱいに映したんだと思っています。
⑥随所にはまる音楽(^^♪
⑥ー1、始まりのビートルズについて。
第二次世界大戦下のドイツでビートルズとは如何に。と思いましたが、これも監督のテクニックなのだと思います。時代設定や社会背景を無視したうえで、あえてビートルズを流す意味は、戦争というマイナスイメージの映画の始まりを避けたのだと考えます。タイカ・ワィティティ監督特有の、ポップでヴィジュアル・センスに富んだ演出なんだと感じられます。
⑥ー2、ラストのデヴィッド・ボウイについて。
ラストにデヴィッド・ボウイのヒーローズが流れます。戦争が終わった世界の奥行を示すような、あるいはジョジョとエルサにエールを送るような雰囲気があります。
効果的な音楽を使用できていると思えます。例えば、映画【ジョーカー】の様な、映画【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】の様に、一気に映画の虜にされます。
⑦イマジナリーフレンド(空想上の友達)アドルフの良い点、悪い点(-。-)y-゜゜゜
⑦ー1、アドルフ・ヒトラー役について。
ご存じの通り、イマジナリーフレンドことアドルフ・ヒトラーを演じているのは、監督タイカ・ワィティティです。監督自ら脚本し演じるということは大好きです。日本で言えば、塚本信也監督、松尾スズキ監督の様な人達は大好きです。最近では、映画【クワイエット・プレイス】のジョン・バーク・クラシンスキーも良いですね。
話が脱線しましたが、監督はユダヤ人です。厳密にいうと、彼の母方のルーツがユダヤ系で、彼の祖父はロシア軍の兵士としてナチスと闘ってきたという背景があります。タイカ・ワィティティはシングルマザーのもとで育ってきた環境にあります。父親が不在という側面はジョジョに似ているかもしれません。彼が本作を手掛けるきっかけとなったのは、クリスティン・ルーネンズの原作「Caging Skies」を、母親自身の言葉で語ってくれたことだそうです。母親の解釈を含めて語ってくれたそうです。ジョジョの空想上の友人やコメディ的な要素は原作にないそうです。その要素があったからこそ、ありきたりな戦争映画の様なメッセージとは違うものを教えてくれたのだと考えます。
⑦ー2、アドルフ・ヒトラーの煙草について。
そもそもヒトラーは嫌煙家です。ですが、映画では煙草をジョジョに勧めようとします。ジョジョは「10歳だから吸わない。」と断ります。偉いぞジョジョと思います。ヒトラーは嫌煙家なのにあえて煙草を勧めるというエッセンスは絶妙なコメディセンスだと思えます。実際にナチス・ドイツの反タバコ運動も起こしていますからね。
⑦ー3、アドルフ・ヒトラーの良い点について。
常にジョジョの理想の大人であることです。父親が2年間も帰ってこないジョジョにとって、どんな大人になろうかというのは常に悩みの種なのです。そこで空想上のアドルフは、ジョジョの虚構の存在でありながら、自身の理想像を示しているのです。10歳として新しい社会で凹み、アドルフに助言をもらい奮起するのは、彼の心のよりどころであると思えます。
⑦ー4、アドルフ・ヒトラーの悪い点について。
アドルフ・ヒトラーはやはり悪い存在ですね。小学生レベルの文章で申し訳ないのですが、悪=アドルフ・ヒトラーでないと物語上進まないわけです。ジョジョをナチスに染まるような言葉がけを繰り返します。ユダヤ人を迫害し、ジョジョを次のアドルフ・ヒトラーへと化そうとしているいと思えます。
映画【帰ってきたヒトラー】や映画【アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲】の様な完全なコメディ映画ではないため、絶妙なバランスを保っています。きっと、チャールズ・チャップリンの様な映画【独占者】に近いキャラクターになっていると思えます。
4.本作の小ネタを紹介したい。
①映画祭について。
第44回のトロント国際映画祭で観客賞を受賞しています。
次点で映画【マリッジ・ストーリー】
さらに次点で映画【パラサイト 半地下の家族】です。
因みに第42回のトロント国際映画祭の観客賞は、映画【スリー・ビルボード】です。
第38回のトロント国際映画祭の観客賞は、映画【それでも夜は明ける】です。
言いたいことは、どれも名作です。以上。
②アカデミー賞について。
6部門ノミネートされています。
・作品賞
・脚色賞=タイカ・ワイティティ
・美術賞=ラ・ヴィンセント、ノラ・ソプコヴァ
・衣裳デザイン賞=マイエス・C・ルベオ
言いたいことは、作品賞、助演女優賞、脚色賞はぜひ取って欲しいです。希望です。
③ミス・ラームの「本を燃やしましょ!」について。
実際に燃やされていたそうです。リルケとか、ハイネとか、ヘミングウェイとか。名前だけでも聞いたことがあると思います。リルケに関しては映画の中に出てきます。
④アドルフ・ヒトラーの「暗殺未遂があった。」について。
映画【ワルキューレ】でも描かれているようです。すいません、まだ見てないのにブログに書いてしまい。ヒトラーに不満があるグループによる犯行だそうですね。ぜひ見たいところです。
⑤反ナチ運動について。
実際に白薔薇とか?ナチスに抵抗する運動があったようです。映画【白バラの祈りゾフィー・ショル、最後の日々】で描かれているそうですよ。
5.本作から受け取ったものを語りたい。
本作はやはり【戦争による影響は害悪でしかない。】と思えます。ジョジョという少年通して戦争を考えるきっかけをもつことが大事だと思っています。少年視線の戦争の怖さはこの映画が教えてくれます。アメリカ軍がドイツに攻め入るとき、女性や子供までが銃や手りゅう弾をもち、立ち向かう様子が描かれていますが、少年ジョジョは恐怖を感じます。銃撃もしくは爆撃を受けた女性が横たわっている姿に怯えます、ヨーキーも銃の乱射に叫びます。ここまで怖い出来事は人類史上あってはいけないことです。子供が戦場に出ること、女性も戦争のために子供を産まないといけないことが当たり前のような時代に戻ってはいけないという、他にもたくさん含められたメッセージを監督は観ている人にぶつけていきます。そのメッセージをしっかり受け取っていく必要があると思っています。戦争を知らない子供たちにとって、この映画は効果的だと思います。一方で、日本にもこのような感性のある映画を作って欲しいと思うばかりです。
映画 ラストレター 岩井俊二監督の世界観が好きだからこそ語りたい!
映画 ラストレター 感想と考察について。
1.感想について。
「Love Letter」、「スワロウテイル」、「四月物語」、「花とアリス」など色々な愛の形を表現し、熱狂的なファンもとい信者を作っていく、岩井俊二監督の最新作が、本作の「ラストレター」です。珠玉のラブストーリーと銘打っていますが、純文学をなぞるようなロマンチスト要素が強く、完成度が物凄く高い作品です。あまりにも綺麗すぎて、うっとりするような、まるでクラシックを聴いているような感覚でこの岩井俊二監督の世界観に没入することができます。というより身体に沁みてくる作品なんです。誰しもが経験する、もしくは考えてしまう素敵な高校生活から、大人になったときについ振り返ってしまう良くも悪くも成長させてくれたあの時の生活。あの青春を甘酸っぱくも夢が無限にあったような若き時代と現代を手紙を使い映像を通して行き来しています。
監督の出身である宮城が舞台であったことから、いつもより背景に力を入れている印象でした【思い入れが強いという印象です】。冒頭からの滝の映像、広瀬すずと森七菜が登場する場面はとても静かで穏やかな状況ではないのに、無邪気で明るい様子が映されています。母親の葬式なのに奇妙な光があるんです。
高校時代の生物部の活動で川の水を掬うシーンも綺麗でしたね。「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」のプールのシーンのように、青春がほとばしるというか、水の先に見える好きな人っていうのが個人的にツボなわけです。神木隆之介のことを好きな森七菜という関係性は見る側にとっては知っているわけですから。先輩が初恋っていうのも甘酸っぱくて、少女漫画みたいじゃねぇかと思うんですけど好きなんですよ。なんせ「シェイプ・オブ・ウォーター」のように、水には特有の描写や監督の思い入れってあると思うんですよ。水はどんな形にも変えて、色んな印象を与えてくれますからね。そのため、プールや海や川や雨やペットボトルの中の水などシーンにとっては特別意味がなくても意味がありそうな雰囲気あるじゃないですか。だから、水を使った世界観は大好き。
また、葬式であるシーンが妙な新しい始まりかとも感じさせる雰囲気の作り方がなんとも良い始まり方でした。葬式といえば「最初の晩餐」のような家族で弔い、家族の思い出を原点回帰するような映画や、「おいしい家族」や「私は光をにぎっている」のように人生で行き詰った主人公が次へのステップを元気に踏み出すようなテーマであることが多い印象です。そういった映画のラストはとても暖かい気持ちになって劇場を跡にでき、色んな伏線に色んな思いやりが込められていると思うとなんだかうれしい気持ちになるため、葬式というものがマイナスな印象にはあまり感じません。
そしてこの「ラストレター」という作品は読むという行為が物語を繋いでいくのが素敵なんです。「小説を読む」、「手紙を読む」、「弔事を読む」、「答辞を読む」、「母の遺書を読む」そして読むということは、声を出して読む、文字が音に変わっていき、映像と相まってより感傷的になってしまいます。
素晴らしい映画「ラストレター」をぜひ劇場で見てほしいなぁと思い、自分なりに分析してみようと思います。
2.本作の物語について。
裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。
ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――
3.本作の長所と短所について。
〇長所
①岩井俊二監督がこだわった手紙を通した物語!
現代社会はインターネットの普及に伴い、メール、ラインといったSNSでのコミュニケーションが主流となっています。そこを監督はスマホを壊すことで繋がれない状況をつくりあげます。これは、矢口史靖作品の「サバイバル・ファミリー」や「ダンスウィズミー」のように序盤から文明の利器を破棄する手法ですね。あえてない方が世界観を固定しやすいんだと考えます。それはさておき、手紙だけの一方通行なやりとりがいいんです。ヒロインの松たか子は返事はしなくていいという思いでありながらも現状を初恋の人に伝えたい一心で手紙を送ります。毎回返信はいらないことを伝えます。手紙をもらう福山雅治は自分のせいで夫といざこざがあった事実から心配して自宅の住所に送り始めます。その手紙を広瀬すずと森七菜が見て手紙を書き始めます。奇妙な関係性で始まる手紙のやり取りは、とても面白いです。相手の顔が見えないからこそ、自分の思いを素直に乗せている。その反面は誰かに読まれると少しこっぱずかしい。それでも、母親を亡くしてしまった広瀬すずにとっては母親の様子を知るきっかけとなり、少しずつ彼女の気持ちがほぐれていくんですね。
「海街diary」のような父親がなくなって決して不安そうな表情を見せない健気な女の子を演じていた広瀬すずが、今回は母親を自殺という形で亡くした中で、どこか遠い目をしている演技が印象的でしたね。そして、福山雅治から送られてくる手紙を読みすぐに未咲という小説を思い出し、母が大切にしていた高校時代の神木隆之介からの手紙を読んでいた流れがこの物語を手紙で埋め尽くした意味があると思える瞬間でしたよ。
きっと、この映画を見た後に手紙を書きたくなります。
②「四月物語」からの「ラストレター」で魅せる松たか子の演技(1998~2020)
私実は岩井俊二監督作品で一番好きなのが「四月物語」なんです。
まだあどけない20代の松たか子の可愛さはすごいぞ。こんな人と一緒に大学生活をエンジョイしたいと思うし、興味のない釣りのサークルにだって入りたいぞ。冒頭の北海道旭川から東京へ向かうシーンが一番の見どころです。松たか子ファミリーが全員で旭川から送り出すんだから。初主演映画だからって家族全員で応援しなくても!
ただ、「横道世之介」を彷彿させるような大学生活と1人暮らしの雰囲気が、新しい何かの始まりを示しつつも、緊張や不安もよぎる松たか子の演技や良し!また、大学に行く理由は大好きな先輩を追いかけるためだったからこそ良し!ってか純愛すぎて好きだ!
松たか子の演技は健在そのもので、初恋の彼が直接会うとなったときに慌てて化粧をしようとすること、少しでもきれいに見せたいという乙女な演技や40代になっても可愛いなぁと思ってしまった。福山雅治に手紙を送るということで、彼女の閉鎖されていた家庭や環境という世界が少し開けて、手紙を書くことが楽しみ、全然疚しい気持ちや不倫という状況に発展することはない純愛さ加減がたまらなく良かったです。
③広瀬すずと森七菜が姉妹役として共演!美少女二人に思わずにやけてしまうシーンの数々。
この2大美少女が登場するだけで期待値高めなのに、姉妹役+いとこ役とか軽くめまいしましたよ。書きたいけど好きなシーンは自分の中におさめておきます。いやでも、二人で小説を読み始めるところはなんか愛おしくなっちゃった。というかいちいち二人とも可愛いんです。現代と高校生活のときで2人は少し違った役位置になるのですが、違和感なく、ちゃんと分けた演技ができていたので好印象でした。でも、高校時代よりいとこでの役位置の方が自然体で良かったかも。あと、犬の散歩しているシーン、福山雅治が2人を並べて写真をとるシーンも良かった。さり気ないピースとかも良かった。二人で布団を敷くシーンも可愛かった。
あとあと、答辞を読む広瀬すずのシーンはとても印象的で、無限の可能性が広がっていた高校生活について言うのが良いよね。神木隆之介に添削してもらってできたから2人で確かめ合うような感じが良いよね。
そんでもって、広瀬すずに【君小説家になりなよ】なんて言われたら誰しもが絶対なろうと思うじゃないですか。あのシーンはずるすぎる!「先生! 、、、好きになってもいいですか?」のように階段のシーンは擽られるんだよ。
〇短所
①現実はこんなもんじゃない。本当のリアルな高校生活は何もない。リア充爆発しろ!
まぁ散々褒めていたつもりですが、本作品を受け入れることができない人もいるわけです。そのためあえて短所を挙げるとしたらまずは現実味がないですよね。理想の恋愛というか、理想の高校生活。実際は「桐島、部活やめるってよ」のようなね、スクールカーストが満載なんですよ。きれいごとばかり述べてんじゃねぇよという気持ちにもなりますよね。あんな絶世の美少女がいて、生徒会長で、自分が転校性だったらそりゃもう好きになりますよ。一方でその妹が好きになってくれるなんて、なんの属性だよ。どんなリア充なんだよ!って話なんです。
しかしそれはきっとあなたがすさんでいる心や環境でいるからです。穏やかな気持ちになって一度見てください。きっと長所の部分が光りだしますから。
②こんな福山雅治は見たくない。「マチネの終わりに」とのギャップ萌えはなし。
くたびれたスーツ、汚いアパートに住んでいるんです。いささかカッコ悪い。カッコ悪すぎて、ギャップがなさすぎる。物語上、売れない小説家で未咲を幸せにできたか、売れている漫画家の庵野のようなきれいな家は対照的に幸せなのか、という問いかけがある点は面白い。しかし、福山雅治はカッコよく撮ってもらわないと一ファンとしては残念でしかないのです。「マチネの終わりに」は才能の限界に苦悩する様が印象的で、天才でカッコイイ故に悩む演技が良かったんです。今回はまるっきりギャップ萌え的要素はないんです。
マイナスポイントを考えるとして挙げただけで個人的には意外と良いのかもと言う思いが10%ぐらいありましたけれど。
庵野秀明の演技は嫌いじゃないけど、エヴァ間に合うのか。という気持ちになりましたね。ちょっとしか出ないのかと思うと、割と台詞あんじゃねぇか。役作りする前に、エヴァ作ってこいと思いましたね。演技は中の下ぐらいな気がしたし。亭主関白なのはいいけれど役者は似合わんかもしれませんね。まぁエヴァにわかな私はなにもエヴァについて語ることはできませんが、一応アニメ作品はさらっていますし劇場版もね知ってはいるけど、コアなファンではないのです。
4.本作の見に来て欲しい人たち!!
①F2~F3層の人たち。
おもに30後半から50代にかけた女性にはグッとくるものがあると考えます。携帯電話やメールの機能が普及した年代は、一般的には1994年から1995年にかけて、家庭でのパソコンを持ち始めるように変わっていくため、その年代に入る前は手紙や電話が主な連絡手段だったと考えます。そして、授業中に手紙を回したり、交換日記が行われていた年代は主にこの年齢層に値します。30代の女性にとってはすぐに携帯電話の使用が繋がる一方で、少女漫画でも、手紙や交換日記というものが印象付けられていると考えます。松たか子と福山雅治の手紙のやり取りは見ていてにやにやとし、自分の体験を思い返すことがあると考えるため、この年齢層には確実に受けると考えます。
松たか子の役どころは2人の子供をもつ母親で、亭主関白の夫に振り回され、義母の世話、家事全般など自分は今何をしているのだろうと振り返ってしまうという背景があります。
【エリクソンの発達段階の内容】
エリクソンの発達段階を例に挙げると、発達課題の第7段階は40歳~65歳頃までの成年期を一括りとしています。成年期に導かれる要素は「世話」です。この時期はすでに結婚をしていて子どもが生まれ、自分以外に大切な守るべきもの・育てていくべきものが増えていく時期。結婚していない・子どもがいない人でも、仕事などで部下の指導を通じて守る・育てるといった「生殖性・世代性」が課題となってきます。若い世代を育てていくという、今までとはまた違うステージに立つこの時期に必要なポジティブな課題が「生殖性・世代性」。そして「生殖性・世代性」と対を成すネガティブな課題が「自己没頭」です。
この時期に 「生殖性・世代性」 を持つには、確固たるアイデンティティのもと自分を磨いたり、能力を高める為の努力をおこなっている必要があります。
それがなければ「次世代」に託すものがないので、社会的にも 「停滞」 してしまう可能性があるのです。
というように、いわゆるこの年齢層には当てはまる問題なんです。
「ラストレター」の松たか子のように、昔の初恋の人と会う、手紙のやり取りをするというのは、あの高校時代に比べて成長した自分、今ある自分はこれからどうしていくのか少し立ち止まって過去に遡るという、ある意味人生の作業なんです。
ここが、F2~F3層の心をグッと掴んでいけるという根拠なんです。
②宮城県の人たち、そして岩井俊二好きな人たち(Love Letterファンへ)
どうして宮城県かという撮影地であり、聖地巡礼も楽しめるわけです。
仙台市での撮影は、バス停で待つシーン、松たか子がカフェで手紙を書いているシーン、犬の散歩道、神社へ向かうシーンに使われています。
一方で白石市は、冒頭の滝や葬儀の寺、旧校舎、生物部の活動シーンで用いらています。
では、具体的にどの程度いるか。これはネット上で調べた話なので根拠はありません。まずおおよそ30代前半の女性は3万人程度なんですね。5歳ずつ分けているグラフがありますが、おおよそ30~40代と括ると6万人程度はいることになるそうです。上記の見に来て欲しい人達①に合わせて、宮城県という括りにするとこの人数がターゲットとなりえると考えます。
それに加えた岩井俊二監督。Twitterフォロワー数105205人です。
岩井俊二監督作品の人気ランキングはというと、
【映画ランキング専門サイト】「Love Letter」 ☆3.99 評価A
【映画.com】「Love Letter」☆3.77
【goo.岩井俊二監督の映画で好きな作品は】「Love Letter」2222票 1位
【Filmarks】「Love Letter」☆3.8
【Yahoo!JAPAN映画】「Love Letter」☆4.26
【COCO】「Love Letter」COCO映画レビュー満足度90%
以上のことから、「Love Letter」が好印象をもっている方が多いことが考えられます。なぜ「Love Letter」のみに絞ったかというと、もちろんこれは「Love Letter」のアンサー的映画が「ラストレター」となるからです。決まり文句ではありますが、アンサー的映画は色んな要素が前作品に似ている訳で、より監督を好きになることは間違いなしというわけです。
③新進気鋭の女優が唄でも魅せる、透き通った、自然と身体が揺れる主題歌に注目!
今回主題歌を担うのは、新進気鋭の森七菜です。
「天気の子」や「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」と昨年度は話題が絶えませんでしたね。可愛くて、少しとぼけていながらも、ピリッとしたシリアスな演技もできるとこれから期待できる女優さんと言えます。その彼女が次は歌に挑戦ですね。売れている女優の花道とも言えますね。
主題歌「カエルノウタ」作詞は岩井俊二監督です。作曲は小林武史(元ミスチルのプロデューサー)です。最強です。可愛い子が一生懸命歌う。それだけでいいのです。実に透明感のあって、耳さわりの良い感触のよき映画と言えます。
「たゆたう感じ」、「何回も聞きたい」という意見が出ていて、中々高評価のようです。
そこで、森七菜という女優にどれだけ支持している人がいるかを分析します。
森七菜の公式音楽スタッフ Twitterフォロワー数10229人。
morinana_official Instagramフォロワー数431388人。
【【将来有望】美しすぎる10代の女性芸能人ランキング 11位から19位】13位
【最も「演技力」が高い若手女優ランキング 49位から60位】52位
ランキングに関しれはこれからの期待という感じですね。
5.本作の評価
【ぴあ映画生活】78点 初日満足度ランキング10位
【COCO】COCO映画レビュー満足度86% ポジティブ指数100%
【Filmarks】☆3.8
【Yahoo!映画】☆3.97
【映画.com】☆3.8
まぁこれだけ見ても、高評価と言っていいでしょう。というより、私はこの結果だけで見に行きたくなるレベルですけどね。
6.本作を勧めたいポイント!
長所をより押していきたいと思います。
①黙って岩井俊二の映画を見てくれ!!
公開当時には「岩井俊二気持ち悪い」というのがTwitterに上がっていました。そんなに否定しないで欲しい。彼の世界観は誰もが好きなはずの理想の世界じゃないか。手紙をモチーフにしたところも日本の古き良き感じも、感情を手紙に乗せる感じも良いテイストになっています。だから否定的な目や発言はなく、一度「黙って岩井俊二の映画を見てくれ!」、見たあとの文句はたくさん聞いてやる。しかし、否定的な意見はすぐに納得はできない。私はあくまで肯定していますからね。
因みに煽り文句は「黙ってピアノを弾いてくれ」というドキュメンタリー映画のパロディです。
それは置いといて、背景や環境やカメラワークや音楽だっていい作品なんです。ラブストーリーに執着しないで欲しい。森七菜という可愛い女優を見れること、松たか子の「四月物語」から成長した演技を見守るのも良し、ちょっと今までにない福山雅治の上手くいっていない大人の姿に見惚れるも良しです。物語に執着せず、あなたの好きになる点はたくさんこの映画に溢れています。なんならおおよそ寝ていてもいいから、広瀬すずの答辞のシーンだけでも真剣に見てほしい。皆さんが経験したことに必ずあてはまる文言が述べられています。パンフレットにはその内容が記載されています。もう一度読むと子の映画の雰囲気ってやっぱり好きと思うはずです。
②「固定概念を捨てろ」そしてこれが珠玉のラブストーリーだ。
①の内容とかぶりますが、最初のイメージが悪い、ナルシストな映画だと思わないで欲しいという願いです。「固定概念を捨てろ」ということで、新しい価値観が生まれ、新しい映画体験できるというものです。
私は、岩井俊二監督作品の集大成な要素も含められていると思います。映画監督って映画を作るだけでなく、他にも才能がないとなり得ない職業でもあるんです。岩井俊二監督の魅力は、小説や歌にも含まれているのです。
今回の主題歌「カエルノウタ」も彼が作詞をしていますね。ミュージックビデオも監督しています。また、ドキュメンタリーやキットカットのCMなど。つまり彼は天才なんです。凡才の私には、彼が描く世界観に魅了されてしまうのです。それこそ、「四月物語」を最初見ていると、こんな大学生活なんてありえないし、好きな人を追って東京に行くことなんてないわ、と冷めた感じに思っていましたよ。しかし、社会人になるとそうやって追いかけていく人がいる話を聞いて、そんなに人を好きになれるんだという魅力と、そういうことを映画で描ける監督がいるという喜びを感じましたね。だからこそ、年齢を重ねた時に新しい発見があると思うのでぜひ見てほしい。
③「もっと私をパンクにして。」
これは、「パーティーで女の子に話しかけるには」の台詞ですね。エル・ファニングがちょっとエッチでファンキーでミステリアスが堪らないシーンです。自分を変えたい、好きに生きたいというシーンでもありますね。
言いたいことは、「ラストレター」は泣けてしまう映画なんです。初恋の人と出会う、初恋の人と手紙でやりとりをする、初恋の人が自殺してしまう、自分は今どこにいるのか、今でも初恋の人が好きで・・・色々考えさせられるシーンが豊富なんです。
つまりですね、この映画の終わり方は前向きな一歩を踏み出すきっかけをくれる映画なんです。自分にとって、高校時代が如何なるもので、好きだった人を通して、新しい一歩を踏み出す。そのシーンはぜひ劇場で見てほしい。福山雅治が松たか子にプレゼント渡すのですよ。そこにこういった思いが詰まっていると考えています。
7.まとめ
実は「ラストレター」を企画・プロデュースしたのは川村元気なんです。やられた。知らなかった。気づかなかった。それでも川村元気ありがとう。良い作品を企画してくれてありがとうという思いです。
最後に「ラストレター」を見た後にぜひ「四月物語」を見てほしいです。短くて見やすい作品です。台詞も少ないので絵や音で魅せてくれるシーンがありますのでおすすめです。
劇場鑑賞数200本超え!2019年映画ランキングを紹介!
2019年映画を振り返る
というわけで、正月休みを3日間もいただけたことが社会人になって6年が経ち、初めてのことだったので有意義に過ごさせていただきましたね。いやぁ、本当に毎回正月は仕事か、夜勤ばかりしてきましたからね。私以外にも働いている人が多いから文句は言わないぞ。なんて思いながら仕事を頑張っていたわけなんです。
そんな私は自分に甘い甘すぎるご褒美をあげようと思い動画配信サービスに入ることにしました!もちろん「Netflix」に加入!!「MIHOシネマ」や映画雑誌を読む限り映画好きな自分には「Netflix」しかない!そして、マーティン・スコセッシ監督、マイケル・ベイ監督、園子温監督が待っているぞ!
ってなわけでずっと映画を見てました。それ以外は『義母と娘のブルース』や『SHIROBAKO』を一気見、紅白の星野源を繰り返し見て、ずっとお酒を飲んでましたね。映画以外のもの、アニメーションやドラマを中々見ることが少なかったのですごく新鮮に観れました。特に『SHIROBAKO』は興味深い面白さがありました。アニメーションの舞台裏って色んな役割をもった人たちが、色んな苦悩や課題があり、次へのステップにもがく主人公たちに感情移入しちゃって、今年度の劇場版に期待しちゃいますね!今後はアニメーションとかもブログに書きたいなぁ。
私事ではありますが、今年度は更に仕事が忙しくなるためTwitterやブログが書けないと思うと寂しい。映画の気持ちを書くという作業が気持ち良いんだけどなぁ。まぁ、そんなこんなで、休みのうちに去年の思い出を記録したいということで本題に入ります。
私的には、2019年は【終わり】という印象がありましたね。例えば、映画に関係しないことであれば、平成が終わり令和となりました。【新しい時代の幕開け】という感じでもありますけれど、
映画でいえば、
「アベンジャーズ/エンドゲーム」
「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
「ミスター・ガラス」
「IT/イット THE END “ それ”が見えたら、終わり。」
「男はつらいよ お帰り寅さん」
というように、ひとつの映画の終着点を描いた作品が多かった気がします。
個人的には、【終わり】=寂しさと嬉しさの交差点という考えでして、【劇場で見れてよかった】や【劇場で体験できて良かった】、【でも終わってしまった】、【もう見れないんだ】という気持ちになってしまいます。
だからこそ、上記に挙げた作品は特に印象深く残っています。というよりどれも泣きましたね。アベンジャーズの喪失感とありがとうという思い、ミスター・ガラスのシャマランの思い切った3部作に心が躍り、IT/イット THE END “ それ”が見えたら、終わり。に至ってはホラー映画でこんな感動するとは思いませんでしたよ。
一方で、スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けに至っては・・・
最高としか言えない!!
賛否があるのは仕方ない!
だけど、映画好きには裏切らないストーリーと演出!でしたね。
シリーズものって人それぞれの思い入れがあるから見る尺度が違うから、その人にとって感動する大きさが変動するんですよね。
そして、男はつらいよ お帰り寅さんは・・・
寅さんスクリーンにお帰りなさい
ここに寅さんがいるよ
寅さんの台詞がまた染み入るよ
と思いましたよ。
また、
「午前十時の映画祭10-FINAL」
も今年の3月で終わりですが、ひとつの企画が終えてしまう感覚です。
北海道には弐番館やミニシアターの劇場は少なく、過去作品を劇場で見るという機会が少ないのです。だからこそ、シネコンで過去作品を見れる喜びが減ると思うとひどく残念です。映画は毎年1000本以上が劇場で上映されていくから、秀作や自分の好みに出会えるのが少ないのです。また、その時代に自分がなにかしらの都合で見れなかったときのためにも、過去作を劇場で上映してくれることがうれしいものなんですけどね。
さらに、
「札幌ディノスシネマズ」閉館
もひとつの歴史に幕が下り感じでした。親しまれた映画館であり、札幌シネマフロンティアや札幌ユナイテッドシネマにはない作品が豊富でしたからね。今年北海道で上映されていない、「アンダー・ユア・ベッド」や「CLIMAX クライマックス」とかもおそらく上映していてくれたのかもしれません。あぁーTwitterで評判良かった故にとてつもなく見たい欲求が強いんです。
札幌ディノスシネマズでは最後に「ジョーズ」を見ましたけど、高齢者がかなり多い中あの時代に上映していたジョーズの感動を彷彿させたのか上映終了後には拍手喝采なわけですよ。いい締めくくりだったなぁと思いましたね。
なにかマイナス要素の強いコメントばかり書いてしまいましたね。やっぱり人生に永遠はないように、終わりは常になんか物寂しい気持ちになってしまい。ネガティブな思考が働きすぎましたね。
ところで、今年度は前例にないほど映画を見ました。
トータルの作品数は、232本です。
邦画は88本、洋画は144本という内訳です。
さらに、BD、DVD、WOWOW、スター・チャンネルを合わせると、803本見れました。見たなぁと満足感に浸ることはできず、まだまだ見れるぜという気持ちでした。映画って素晴らしい。飽きさせず、色あせない。去年も映画を楽しめましたね。
記録用に劇場での鑑賞した映画をブログに残しておこうと思います。
1月
映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS
蜘蛛の巣を払う女
クリード 炎の宿敵
イット・カムズ・アット・ナイト
喜望峰の風に乗せて
日の名残り
夜明け
チワワちゃん
マスカレード・ホテル
ミスター・ガラス
バジュランギおじさんと、小さな迷子
TAXi ダイヤモンド・ミッション
十二人の死にたい子どもたち
サスペリア
そらのレストラン
サイバー・ミッション
シシリアン・ゴースト・ストーリー
17本
2月
七つの会議
フロントランナー
メリー・ポピンズ リターンズ
パルプ・フィクション
愛唄 -約束のナクヒト-
デイアンドナイト
アクアマン
ファースト・マン
赤い雪 Red Snow
アストラル・ アブノーマル鈴木さん
ジュリアン
フォルトゥナの瞳
女王陛下のお気に入り
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
母を亡くした時、僕は遺骨を食べたい と思った。
THE GUILTY/ギルティ
翔んで埼玉
サムライマラソン
アリータ: バトル・エンジェル
半世界(映画館)
20本
3月
グリーンブック
移動都市 モータル・エンジン
運び屋
キャプテン・マーベル
君は月夜に光り輝く
家族のレシピ
ビール・ストリートの恋人たち
スパイダーマン: スパイダーバース
シンプル・フェイバー
バンブルビー
ブラック・クランズマン
天国でまた会おう
ビリーブ 未来への大逆転
ダンボ
ソローキンの見た桜
ウトヤ島、7月22日
16本
4月
未知との遭遇
麻雀放浪記2020
多十郎殉愛記
バイス
Be With You ~いま、会いにゆきます
ビューティフル・ボーイ
ハロウィン2018年制作
マローボーン家の掟
キングダム
シャザム!
まく子
アベンジャーズ/エンドゲーム×2
愛がなんだ
14本
5月
空母いぶき
映画 賭ケグルイ
ラ・ヨローナ〜泣く女〜
名探偵ピカチュウ
コンフィデンスマンJP -ロマンス編-
居眠り磐音
魂のゆくえ
ROMA/ローマ
レプリカズ
神と共に 第一章 罪と罰
貞子
The Crossing ザ・クロッシング Part I
The Crossing ザ・クロッシング Part II
ザ・フォーリナー/復讐者
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
アナと世界の終わり
パラレルワールド・ラブストーリー
長いお別れ
18本
6月
ジョーズ
風と共に去りぬ
さよならくちびる
芳華 Youth
パリ、嘘つきな恋
クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅
町田くんの世界
僕たちは希望という名の列車に乗った
スノー・ロワイヤル
泣くな赤鬼
メン・イン・ブラック:インターナショナル
ザ・ファブル
X-MEN: ダーク・フェニックス
劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
ハウス・ジャック・ビルト
パピヨン
新聞記者
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
神と共に 第二章 因と縁
19本
7月
Diner ダイナー
ハッピー・デス・デイ
凪待ち
いちごの唄
今日も嫌がらせ弁当
誰もがそれを知っている
ゴールデン・リバー
旅のおわり世界のはじまり
ブルース・ブラザース
アラジン
トイ・ストーリー4
さらば愛しきアウトロー
ハッピー・デス・デイ 2U
WE ARE LITTLE ZOMBIES
チャイルド・プレイ
天気の子×3
東京喰種 トーキョーグール【S】
アルキメデスの大戦×2
アマンダと僕
22本
8月
ワイルド・スピード/スーパーコンボ
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
アルキメデスの大戦
ダンスウィズミー
ONE PIECE STAMPEDE
HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ
ライオン・キング
イソップの思うツボ
存在のない子供たち
ロケットマン
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
引っ越し大名!
ブルー・ダイヤモンド
13本
9月
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
永遠に僕のもの
タロウのバカ
やっぱり契約破棄していいですか!?
いなくなれ、群青
アス
SHADOW 影武者
台風家族
人間失格 太宰治と3人の女たち
僕のワンダフル・ジャーニー
記憶にございません!×2
命みじかし、恋せよ乙女
風をつかまえた少年
アナベル 死霊博物館
アイネクライネナハトムジーク
アド・アストラ
見えない目撃者
HELLO WORLD
惡の華
ホテル・ムンバイ
ヘルボーイ 2019年
宮本から君へ
ブラインドスポッティング
24本
10月
ジョン・ウィック:パラベラム
蜜蜂と遠雷
ジョーカー×2
時計じかけのオレンジ
メランコリック
空の青さを知る人よ
最高の人生の 見つけ方日本版
イエスタデイ
ハミングバード・プロジェクト0.001秒の男たち
英雄は嘘がお好き
真実吹き替え
楽園
マレフィセント2
スペシャルアクターズ
真実字幕
クロール -凶暴領域-
フッド: ザ・ビギニング
ガリー・ボーイ
スティング
“樹木希林”を生きる
ブルー アワーにぶっ飛ばす
プライベート・ウォー
108~海馬五郎の復讐と冒険 ~
ジェミニマン
25本
11月
IT/イット THE END “ それ”が見えたら、終わり。
ホームステイ ボクと僕の100日間
最初の晩餐
マチネの終わりに
レオン完全版
ひとよ
NOSMOKING
おいしい家族
グレタ GRETA
影踏み
i ー新聞記者ードキュメント
オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁 Wings Over Everest
ブライトバーン/恐怖の拡散者
閉鎖病棟 それぞれの朝
ターミネーター:ニュー・フェイト
決算!忠臣蔵
ゾンビランド:ダブルタップ
わたしは光をにぎっている
エンド・オブ・ステイツ
MANRIKI
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
21本
12月
ファイティング・ファミリー
ロボット2.0
ドクター・スリープ
T-34 レジェンド・オブ・ウォー
ルパン三世 THE FIRST
ゾンビ 日本初公開復元版
ゴーストマスター
エセルとアーネスト ふたりの物語
人生、ただいま修行中
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト
天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント
カツベン!
屍人荘の殺人
エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ
家族を想うとき
マイ・ビューティフル・デイズ
ジュマンジ/ネクスト・レベル
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け×3
映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか
サタンタンゴ
男はつらいよ お帰り寅さん
23本
そこで、私的な映画ランキングを挙げたいと思います。
ランキングを紹介する前に、私なりに映画って「思い出度合指数」によって評価がかなり異なると思います。スター・ウォーズやマーベルをランキングに挙げないのにもそういう理由です。シリーズものの作品は「思い入れ」が全然違います。劇場で感動した思いだったり、当時の映画では新しい試みだったり、当時一緒に見た人の思い出だったりで色んなものに補正され、昇華され、評価が高くなっていくと思います。だから純粋につまらないという意見にも同意してしまうんですよね。さらにシリーズものはファンサービスがついてくるから、そこが映画好きは擽られてしまうものです。
だから、正しいジャッジが曖昧になってしまうんですよ。例えば「男はつらいよ」はおおよそ作品は見直していると思います。シリーズが多すぎてすべてのヒロインを説明できないし、展開は毎回同じ感じだけれど、やっぱり見たくなってしまう。寅さんに引っ張られるんですよね。どの作品がおすすめか問われると困ります。また古参の方たちや一部に熱狂的なファンは新参者を受け入れないや知識が足りないとかで否定しがちなんですよね。語りたいって否定じゃなく、共感と新しい発見だと思うのですよ。
つまり、映画のランキングとして挙げるならやっぱり「新しい映画体験」「映画によってつながっていく映画」「語りたくなる映画」というものが大事だと思うんですよね。そのため、大好きなスター・ウォーズやマーベルや寅さんはランキングにあげず、思い出にとっておくスタイルなわけです。
邦画編
1位わたしは光をにぎっている
2位宮本から君へ
3位新聞記者
4位いちごの唄
5位居眠り磐音
6位愛がなんだ
7位カツベン!
8位さよならくちびる
9位町田くんの世界
10位ゴーストマスター
特別賞いなくなれ、群青
特別賞ソローキンの見た桜
まず1位にした「わたしは光をにぎっている」
ぜひこの作品を見てほしいです。再生と成長をテーマにしてあり、故郷や自分が育った環境が変化していくさまが綺麗に描かれています。幼少期が転校の繰り返しで、物心つく前に育った地域を知らずにここまで生きてきたけれど、とある日に育った地域に赴くことがあり、色々変わっていて不思議な感覚でした。商店街やスーパーや本屋などが変わって、新しいチェーン店があったり、いつのまにかビルが建っていたりと、自分が知っている環境ではないのかもと思いました。だから、知っているはずの環境が、知らない環境へと変化する様は、当たり前の日常はいつも変化していることを示しているようでした。その思いが、そのまんまこの映画で表してくれています。
実はこういう系統の映画ってありそうでない要素なんです。誰しもが経験していて、誰しもが共感できる要素が豊富です。
主人公を演じるのは松本穂香です。主演はまだ少ないですが、透明感があり、あどけない演技が好きです。主人公の澪は、社会性が足りず、引っ込み思案で、思いを上手く言葉や表情に表出することが苦手なんです。それを自然体で演技できているのが素晴らしいです。
エンディングで流れるカネコアヤノの「光の方へ」も印象的です。必死にもがいて自分の生きていく道を探す雰囲気で好きです。
そして10位にした「ゴーストマスター」
TSUTAYAが主催する映像企画発掘コンペ「TSUTAYA CREATERS'PROGRAM FILM 2016」で準グランプリを受賞しています。今年度といえば「ブルーアワーにぶっ飛ばす」もこのコンペに該当されます。予告をみてわかるように、究極の映画愛を示しています。究極の映画愛というのは、タランティーノやキュアロンを彷彿させますよね。2人の映画愛は特に好きです。自分が好きな物を表現するってすごいことだし、それが評価されることがさらにすごいことだと思えるんです。
というのも、本作品の監督ヤング・ポールが示したのは、ロメロやパルマやライミやミラーやカーペンターやフーパーへのラブレターなんです。見たらわかる映画愛!見てほしいこの映画愛!いわゆるB級映画と定義されてしまいがちな映画には、実はすごい映画なんだよ、昔の素敵な映画が、素敵な「ゴーストマスター」という作品が生まれたんだよと感じてほしい作品です。
洋画編
1位ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
ジョーカー
3位運び屋
ROMA/ローマ
5位魂のゆくえ
7位家族を想うとき
ハウス・ジャック・ビルト
9位スノー・ロワイヤル
10位芳華 Youth
特別賞アナと世界の終わり
同率1位についてはブログで書いてみたのでここでは具体的には話しませんが、昨年度はやはり「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」と「ジョーカー」ですよ。色んな映画の要素がふんだんに含められています。1つの作品で色んな作品が見たくなる、あの映画にこの要素があって、あの映画のオマージュやインスパイアされていると考えると、すごく映画が好きになっていきます。だからこそ、上記の2作品は愛してますね。
「ROMA/ローマ」これはずるいなぁと思いましたよ。いやぁずるいなぁ。本当にずるいなぁ。面白すぎだろう!モノクロな映像、実際に体験しているような空気と世界観、カメラの一定の固定した撮影方法、ワンカットが長くてずっと見ていたくなるような気持ちにさせられました。本作品に出会わなければ「サタン・タンゴ」を見ようとは思いませんでしたよ。
特別賞においた「アナと世界の終わり」
ゾンビミュージカル映画って新鮮じゃないですか。「ショーン・オブ・サ・デッド」×「ラ・ラ・ランド」ですよ・名作のコラボ。笑える視点、感動できる視点があり、ゾンビ視点、ミュージカル視点として、様々な視点で見れて楽しいですよ。短編映画がもとになっていますが、その監督が若くして病で亡くなってしまったのを、引き継いでできた映画ってだけでもう最高です。作り手に感謝ですよ。
総括して、
最後に仕事しながら1年間は好きなだけ映画を見ようという計画は見事に成功できました。ここまで作品と出会えることは今までありませんでしたし、各映画祭のヒット作品から、ミニシアター系、劇場復元版とか楽しめました。おそらくブログもTwitterも継続しますが、本職に集中しないといけないため、しばらくはお休みということで。
今すぐ見たくなる映画情報がたくさん!「MIHO シネマ」を紹介したい!
「MIHOシネマ」について紹介したいし語りたい!!
当ブログを始めてから数か月がたちますが、SNS上のご縁があり、「MIHOシネマ」の紹介文を書けることになるとは思いもしませんでした。いくつかのポイントにわけて紹介していきたいと思います。下記にリンクを貼っておきます。
〇「MIHOシネマ」をおすすめしたい理由。
1.ストーリーが起承転結にまとめられていて読みやすい!難解な映画は「MIHOシネマ」で振り返ろう!
「MIHOシネマ」のサイトを一度見た方はわかりますが、紹介している映画のストーリーが読みやすい、わかりやすいのです。読み手にすっと伝わる文章です。難解な映画ほど説明口調になりやすいのが映画ブログで見られることがありますが、「MIHOシネマ」は起承転結でまとまっていて、難しい映画の参考書的存在です。考察が入っていないため、余計な情報がなく、映画を紹介してくれています。
私は恥ずかしながら「アンダー・ザ・シルバーレイク」を一度見て理解できませんでした。それでも映画自体がすごく好きな感触だった時に、「MIHOシネマ」で「アンダー・ザ・シルバーレイク」を振り返ることができ、あらためて自分の中でこの映画を好きになる手助けになりました。
また、映画ブロガーにもおすすめです。物語を振り返るときに「MIHOシネマ」でその映画を読むと回帰でき、ブログが書きやすくなります。【そういえばこのあとの展開でなにか忘れてる気がする】とか【昔の映画ってこのあとどうなる感じだっけ】という情報の抜けを修正できます。
2.無料視聴できる配信を教えてくれる!?
dTV、hulu、Amazonビデオ、Netflix、U-NEXTといった配信で、紹介している映画が見れるかどうか書いてあります。他の映画ブログにはない突出した特徴です。私はこれから配信を利用するのですが、好きな作品をたくさん見たいためとても参考になってます。
3.映画を一緒に見よう!でも相手の好みに合ってるのか不安。
「MIHOシネマ」は公開前の作品および過去の作品まで取り扱っています。【これから映画みよう、どんな映画があるんだろう】や【あの映画の結末ってどんな感じだったけ】という方は参考になること間違いなし。
映画をたくさん見ている人も、見ていない人も、「MIHOシネマ」のサイトを読むと、どんなジャンルで、どんな面白さがあるのかがわかり、安心して映画を見ることができます。〈つまらない映画を見た後に会話が続かない経験ってありませんでしたか。〉〈面白いと評判の映画を家で見た時、自分に合わなかったことありませんか。〉〈映画館じゃなくDVDで見ればよかったと思ったことありませんか。〉〈予告は面白そうだけど、見て損しないかな。〉このような条件を解消できます。つまり、デートに良し、家族で見るときも良し、クリスマスや誕生日や記念日などに合った映画は、「MIHOシネマ」で見つけることをおすすめします。
また、映画の紹介の最後に筆者である影山みほがレビューしています。コアな考察や感想というより、率直な映画の感想のため、これから見る映画の参考になります。
4.ネタバレは嫌!そんな人にはネタバレなしの紹介もあり!
映画紹介や映画ブログには必ずネタバレがつきものです。安心してください。「MIHOシネマ」はなんとネタバレなしの紹介もしています。さらに映画好きには堪らないのが、紹介している映画に繋がる、『公開前に見ておきたい作品』も載っています。そのラインナップが秀逸です。
例えば、大大ヒットしている「ジョーカー」のネタバレなしの記事でラインナップを挙げている3作品は、1作品を除いては他のブログや映画雑誌にはなかったです。ラインナップしている作品を見る限り、あくまで映画通じゃなくても楽しめる所が良いのです。基本的に「ジョーカー」を見る前に「キング・オブ・コメディ」や「タクシードライバー」や「セルピコ」を挙げがち、ほとんどの映画ブログや雑誌に紹介されています。コアな方には良いのです。しかし、「MIHOシネマ」では「グラディエーター」と「マレフィセント」を挙げているのです。ラフな感覚で見れて、より「ジョーカー」を楽しめるスパイスとなっております。初見の方でも感じやすく、わかりやすい、見やすい作品を挙げているところが好きです。
5.シネフィルは必ず役立つ理由、ジャンルを問わない7000作品以上のラインナップ!
「MIHOシネマ」を知ったときに7000作品という膨大な量です。その中でどうやって探すのかというと・・・
・あらすじや感想を検索する
ここにキーワードを入れるといくつもの紹介記事が出ます。例えば「クリント・イーストウッド」と調べたら、彼の監督作品や出演作品の記事がある中、「クリント・イーストウッドが出演するおすすめ映画5選」というのが出てくるではありませんか。この記事が面白い。注目ポイントと見どころが見事に抑えています。
・映画ジャンル別おすすめランキング
「MIHOシネマ」で上記のランキングをクリックすると、ジャンル別でランキング形式で書かれています。面白いのが、アクション映画だと「女性アクション映画のおすすめランキング10選」「ガンアクション映画のおすすめランキング10選」「バイクアクション映画のおすすめランキング12選」とアクションの中でもさらにカテゴリー分けされています。シネフィルのコアな方には堪らないですよね。
他にも王道作品のマーベルやDCの紹介もカテゴリー分けされています。マーベルやDC映画好きの方も一度「MIHOシネマ」を訪れてみてはいかがでしょうか?
〇「MIHOシネマ」を分析する。
ここから、私なりに映画情サイト+映画ブログの「MIHOシネマ」を分析していきたいと思います。まずは大まかな概要について。
映画好きの28歳OL影山みほが運営しています。
映画ブログ+映画情報サイトです。
コンセプトとしては、
・映画に興味をもつきっかけができる。
・皆様にとって映画が生活の一部となり、暮らしがより一層彩り豊かなものとなりますように。
という思いが込められた映画サイトになります。
Twitterフォロワー数11730人です。
・まず、20代女性であることが大きなポイント!
映画の割合は主に10代の女性が見ている割合が高いという傾向にあります。しかし、20代から30代女性で未婚であると、仕事に余裕ができ、映画を見る割合が多いとも言われています。いわゆるF1層です。映画を宣伝するにあたり、この20代女性が映画館に来ることが必須なんです。つまりターゲット層です。それによって、興行成績が良くも悪くもなると言えます。
このことから、20代の影山みほが【面白い!映画を紹介する!】となればその映画の協業は安泰もしくはヒットすることが予測されると言えます。
さらに、Twitterフォロワー数が約1.2万人というのもポイント!
とあるサイトでフォロワー数によってインフルエンサーと言えるかどうかというのをアンケートしていたことがありました。日本人のTwitter(ツイッター)ユーザーのフォロワー数の中央値は、426人と言われています。90%以上のアカウントは、フォロワー数が2,000人以下であり、1万人にも及ぶフォロワー数を持つアカウントは10%にも満たさないそうです。SNSマーケティングの記事によると、おおむね数千から1万程度以上のフォロワーがいる人がインフルエンサーとされることが多いとされています。
このことから、影山みほは『インフルエンサー』であり、『20代女性のターゲット層』であるため、映画がヒットする割合がぐっと上がる、つまり『映画のブームを先取り』できると分析できます。
だからこそ、影山みほが運営する「MIHOシネマ」を読むことをおすすめします。
〇終わりに。
今回紹介記事を書かせていただきありがとうございます。楽しく書くことができました。これからのご活躍と発展に期待しています。
〇追記。
28歳女性と映画だと、まっさきに「プラダを着た悪魔」や「マイ・インターン」を思い出します。頑張る女性を応援したくなる映画もいいですよね。因みに、「プラダを着た悪魔」は大根仁監督も好きらしい。
◯当記事を読み「MIHOシネマ」を気になった方はhttps://mihocinema.com/までアクセスしてみて下さい。