映画 ラストレター 岩井俊二監督の世界観が好きだからこそ語りたい!

映画 ラストレター 感想と考察について。

 

1.感想について。

 

「Love Letter」、「スワロウテイル」、「四月物語」、「花とアリス」など色々な愛の形を表現し、熱狂的なファンもとい信者を作っていく、岩井俊二監督の最新作が、本作の「ラストレター」です。珠玉のラブストーリーと銘打っていますが、純文学をなぞるようなロマンチスト要素が強く、完成度が物凄く高い作品です。あまりにも綺麗すぎて、うっとりするような、まるでクラシックを聴いているような感覚でこの岩井俊二監督の世界観に没入することができます。というより身体に沁みてくる作品なんです。誰しもが経験する、もしくは考えてしまう素敵な高校生活から、大人になったときについ振り返ってしまう良くも悪くも成長させてくれたあの時の生活。あの青春を甘酸っぱくも夢が無限にあったような若き時代と現代を手紙を使い映像を通して行き来しています。

監督の出身である宮城が舞台であったことから、いつもより背景に力を入れている印象でした【思い入れが強いという印象です】。冒頭からの滝の映像、広瀬すずと森七菜が登場する場面はとても静かで穏やかな状況ではないのに、無邪気で明るい様子が映されています。母親の葬式なのに奇妙な光があるんです。

高校時代の生物部の活動で川の水を掬うシーンも綺麗でしたね。「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」のプールのシーンのように、青春がほとばしるというか、水の先に見える好きな人っていうのが個人的にツボなわけです。神木隆之介のことを好きな森七菜という関係性は見る側にとっては知っているわけですから。先輩が初恋っていうのも甘酸っぱくて、少女漫画みたいじゃねぇかと思うんですけど好きなんですよ。なんせ「シェイプ・オブ・ウォーター」のように、水には特有の描写や監督の思い入れってあると思うんですよ。水はどんな形にも変えて、色んな印象を与えてくれますからね。そのため、プールや海や川や雨やペットボトルの中の水などシーンにとっては特別意味がなくても意味がありそうな雰囲気あるじゃないですか。だから、水を使った世界観は大好き。

また、葬式であるシーンが妙な新しい始まりかとも感じさせる雰囲気の作り方がなんとも良い始まり方でした。葬式といえば「最初の晩餐」のような家族で弔い、家族の思い出を原点回帰するような映画や、「おいしい家族」や「私は光をにぎっている」のように人生で行き詰った主人公が次へのステップを元気に踏み出すようなテーマであることが多い印象です。そういった映画のラストはとても暖かい気持ちになって劇場を跡にでき、色んな伏線に色んな思いやりが込められていると思うとなんだかうれしい気持ちになるため、葬式というものがマイナスな印象にはあまり感じません。

そしてこの「ラストレター」という作品は読むという行為が物語を繋いでいくのが素敵なんです。「小説を読む」、「手紙を読む」、「弔事を読む」、「答辞を読む」、「母の遺書を読む」そして読むということは、声を出して読む、文字が音に変わっていき、映像と相まってより感傷的になってしまいます。

素晴らしい映画「ラストレター」をぜひ劇場で見てほしいなぁと思い、自分なりに分析してみようと思います。

 

2.本作の物語について。

裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。
ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――

 

3.本作の長所と短所について。

〇長所

岩井俊二監督がこだわった手紙を通した物語!

現代社会はインターネットの普及に伴い、メール、ラインといったSNSでのコミュニケーションが主流となっています。そこを監督はスマホを壊すことで繋がれない状況をつくりあげます。これは、矢口史靖作品の「サバイバル・ファミリー」や「ダンスウィズミー」のように序盤から文明の利器を破棄する手法ですね。あえてない方が世界観を固定しやすいんだと考えます。それはさておき、手紙だけの一方通行なやりとりがいいんです。ヒロインの松たか子は返事はしなくていいという思いでありながらも現状を初恋の人に伝えたい一心で手紙を送ります。毎回返信はいらないことを伝えます。手紙をもらう福山雅治は自分のせいで夫といざこざがあった事実から心配して自宅の住所に送り始めます。その手紙を広瀬すずと森七菜が見て手紙を書き始めます。奇妙な関係性で始まる手紙のやり取りは、とても面白いです。相手の顔が見えないからこそ、自分の思いを素直に乗せている。その反面は誰かに読まれると少しこっぱずかしい。それでも、母親を亡くしてしまった広瀬すずにとっては母親の様子を知るきっかけとなり、少しずつ彼女の気持ちがほぐれていくんですね。

海街diary」のような父親がなくなって決して不安そうな表情を見せない健気な女の子を演じていた広瀬すずが、今回は母親を自殺という形で亡くした中で、どこか遠い目をしている演技が印象的でしたね。そして、福山雅治から送られてくる手紙を読みすぐに未咲という小説を思い出し、母が大切にしていた高校時代の神木隆之介からの手紙を読んでいた流れがこの物語を手紙で埋め尽くした意味があると思える瞬間でしたよ。

きっと、この映画を見た後に手紙を書きたくなります。

 

②「四月物語」からの「ラストレター」で魅せる松たか子の演技(1998~2020)

私実は岩井俊二監督作品で一番好きなのが「四月物語」なんです。

まだあどけない20代の松たか子の可愛さはすごいぞ。こんな人と一緒に大学生活をエンジョイしたいと思うし、興味のない釣りのサークルにだって入りたいぞ。冒頭の北海道旭川から東京へ向かうシーンが一番の見どころです。松たか子ファミリーが全員で旭川から送り出すんだから。初主演映画だからって家族全員で応援しなくても!

ただ、「横道世之介」を彷彿させるような大学生活と1人暮らしの雰囲気が、新しい何かの始まりを示しつつも、緊張や不安もよぎる松たか子の演技や良し!また、大学に行く理由は大好きな先輩を追いかけるためだったからこそ良し!ってか純愛すぎて好きだ!

松たか子の演技は健在そのもので、初恋の彼が直接会うとなったときに慌てて化粧をしようとすること、少しでもきれいに見せたいという乙女な演技や40代になっても可愛いなぁと思ってしまった。福山雅治に手紙を送るということで、彼女の閉鎖されていた家庭や環境という世界が少し開けて、手紙を書くことが楽しみ、全然疚しい気持ちや不倫という状況に発展することはない純愛さ加減がたまらなく良かったです。

 

広瀬すずと森七菜が姉妹役として共演!美少女二人に思わずにやけてしまうシーンの数々。

この2大美少女が登場するだけで期待値高めなのに、姉妹役+いとこ役とか軽くめまいしましたよ。書きたいけど好きなシーンは自分の中におさめておきます。いやでも、二人で小説を読み始めるところはなんか愛おしくなっちゃった。というかいちいち二人とも可愛いんです。現代と高校生活のときで2人は少し違った役位置になるのですが、違和感なく、ちゃんと分けた演技ができていたので好印象でした。でも、高校時代よりいとこでの役位置の方が自然体で良かったかも。あと、犬の散歩しているシーン、福山雅治が2人を並べて写真をとるシーンも良かった。さり気ないピースとかも良かった。二人で布団を敷くシーンも可愛かった。

あとあと、答辞を読む広瀬すずのシーンはとても印象的で、無限の可能性が広がっていた高校生活について言うのが良いよね。神木隆之介に添削してもらってできたから2人で確かめ合うような感じが良いよね。

そんでもって、広瀬すずに【君小説家になりなよ】なんて言われたら誰しもが絶対なろうと思うじゃないですか。あのシーンはずるすぎる!「先生! 、、、好きになってもいいですか?」のように階段のシーンは擽られるんだよ。

 

〇短所

①現実はこんなもんじゃない。本当のリアルな高校生活は何もない。リア充爆発しろ!

まぁ散々褒めていたつもりですが、本作品を受け入れることができない人もいるわけです。そのためあえて短所を挙げるとしたらまずは現実味がないですよね。理想の恋愛というか、理想の高校生活。実際は「桐島、部活やめるってよ」のようなね、スクールカーストが満載なんですよ。きれいごとばかり述べてんじゃねぇよという気持ちにもなりますよね。あんな絶世の美少女がいて、生徒会長で、自分が転校性だったらそりゃもう好きになりますよ。一方でその妹が好きになってくれるなんて、なんの属性だよ。どんなリア充なんだよ!って話なんです。

しかしそれはきっとあなたがすさんでいる心や環境でいるからです。穏やかな気持ちになって一度見てください。きっと長所の部分が光りだしますから。

 

②こんな福山雅治は見たくない。「マチネの終わりに」とのギャップ萌えはなし。

くたびれたスーツ、汚いアパートに住んでいるんです。いささかカッコ悪い。カッコ悪すぎて、ギャップがなさすぎる。物語上、売れない小説家で未咲を幸せにできたか、売れている漫画家の庵野のようなきれいな家は対照的に幸せなのか、という問いかけがある点は面白い。しかし、福山雅治はカッコよく撮ってもらわないと一ファンとしては残念でしかないのです。「マチネの終わりに」は才能の限界に苦悩する様が印象的で、天才でカッコイイ故に悩む演技が良かったんです。今回はまるっきりギャップ萌え的要素はないんです。

マイナスポイントを考えるとして挙げただけで個人的には意外と良いのかもと言う思いが10%ぐらいありましたけれど。

 

庵野秀明、お前はさっさとエヴァでも作っていろ感。

庵野秀明の演技は嫌いじゃないけど、エヴァ間に合うのか。という気持ちになりましたね。ちょっとしか出ないのかと思うと、割と台詞あんじゃねぇか。役作りする前に、エヴァ作ってこいと思いましたね。演技は中の下ぐらいな気がしたし。亭主関白なのはいいけれど役者は似合わんかもしれませんね。まぁエヴァにわかな私はなにもエヴァについて語ることはできませんが、一応アニメ作品はさらっていますし劇場版もね知ってはいるけど、コアなファンではないのです。

 

4.本作の見に来て欲しい人たち!!

①F2~F3層の人たち。

おもに30後半から50代にかけた女性にはグッとくるものがあると考えます。携帯電話やメールの機能が普及した年代は、一般的には1994年から1995年にかけて、家庭でのパソコンを持ち始めるように変わっていくため、その年代に入る前は手紙や電話が主な連絡手段だったと考えます。そして、授業中に手紙を回したり、交換日記が行われていた年代は主にこの年齢層に値します。30代の女性にとってはすぐに携帯電話の使用が繋がる一方で、少女漫画でも、手紙や交換日記というものが印象付けられていると考えます。松たか子福山雅治の手紙のやり取りは見ていてにやにやとし、自分の体験を思い返すことがあると考えるため、この年齢層には確実に受けると考えます。

松たか子の役どころは2人の子供をもつ母親で、亭主関白の夫に振り回され、義母の世話、家事全般など自分は今何をしているのだろうと振り返ってしまうという背景があります。

エリクソンの発達段階の内容】

エリクソンの発達段階を例に挙げると、発達課題の第7段階は40歳~65歳頃までの成年期を一括りとしています。成年期に導かれる要素は「世話」です。この時期はすでに結婚をしていて子どもが生まれ、自分以外に大切な守るべきもの・育てていくべきものが増えていく時期。結婚していない・子どもがいない人でも、仕事などで部下の指導を通じて守る・育てるといった「生殖性・世代性」が課題となってきます。若い世代を育てていくという、今までとはまた違うステージに立つこの時期に必要なポジティブな課題が「生殖性・世代性」。そして「生殖性・世代性」と対を成すネガティブな課題が「自己没頭」です。
この時期に 「生殖性・世代性」 を持つには、確固たるアイデンティティのもと自分を磨いたり、能力を高める為の努力をおこなっている必要があります。
それがなければ「次世代」に託すものがないので、社会的にも 「停滞」 してしまう可能性があるのです。

というように、いわゆるこの年齢層には当てはまる問題なんです。

「ラストレター」の松たか子のように、昔の初恋の人と会う、手紙のやり取りをするというのは、あの高校時代に比べて成長した自分、今ある自分はこれからどうしていくのか少し立ち止まって過去に遡るという、ある意味人生の作業なんです。

ここが、F2~F3層の心をグッと掴んでいけるという根拠なんです。

 

宮城県の人たち、そして岩井俊二好きな人たち(Love Letterファンへ)

どうして宮城県かという撮影地であり、聖地巡礼も楽しめるわけです。

仙台市での撮影は、バス停で待つシーン、松たか子がカフェで手紙を書いているシーン、犬の散歩道、神社へ向かうシーンに使われています。

一方で白石市は、冒頭の滝や葬儀の寺、旧校舎、生物部の活動シーンで用いらています。

では、具体的にどの程度いるか。これはネット上で調べた話なので根拠はありません。まずおおよそ30代前半の女性は3万人程度なんですね。5歳ずつ分けているグラフがありますが、おおよそ30~40代と括ると6万人程度はいることになるそうです。上記の見に来て欲しい人達①に合わせて、宮城県という括りにするとこの人数がターゲットとなりえると考えます。

それに加えた岩井俊二監督。Twitterフォロワー数105205人です。

岩井俊二監督作品の人気ランキングはというと、

【映画ランキング専門サイト】「Love Letter」 ☆3.99 評価A

【映画.com】「Love Letter」☆3.77

【goo.岩井俊二監督の映画で好きな作品は】「Love Letter」2222票 1位

【Filmarks】「Love Letter」☆3.8

Yahoo!JAPAN映画】「Love Letter」☆4.26

【COCO】「Love Letter」COCO映画レビュー満足度90%

以上のことから、「Love Letter」が好印象をもっている方が多いことが考えられます。なぜ「Love Letter」のみに絞ったかというと、もちろんこれは「Love Letter」のアンサー的映画が「ラストレター」となるからです。決まり文句ではありますが、アンサー的映画は色んな要素が前作品に似ている訳で、より監督を好きになることは間違いなしというわけです。 

 

③新進気鋭の女優が唄でも魅せる、透き通った、自然と身体が揺れる主題歌に注目!

今回主題歌を担うのは、新進気鋭の森七菜です。

「天気の子」や「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」と昨年度は話題が絶えませんでしたね。可愛くて、少しとぼけていながらも、ピリッとしたシリアスな演技もできるとこれから期待できる女優さんと言えます。その彼女が次は歌に挑戦ですね。売れている女優の花道とも言えますね。

主題歌「カエルノウタ」作詞は岩井俊二監督です。作曲は小林武史(元ミスチルのプロデューサー)です。最強です。可愛い子が一生懸命歌う。それだけでいいのです。実に透明感のあって、耳さわりの良い感触のよき映画と言えます。

「たゆたう感じ」、「何回も聞きたい」という意見が出ていて、中々高評価のようです。

そこで、森七菜という女優にどれだけ支持している人がいるかを分析します。

森七菜の公式音楽スタッフ Twitterフォロワー数10229人。

morinana_official Instagramフォロワー数431388人。

【【将来有望】美しすぎる10代の女性芸能人ランキング 11位から19位】13位

【最も「演技力」が高い若手女優ランキング 49位から60位】52位

ランキングに関しれはこれからの期待という感じですね。

 

5.本作の評価

【ぴあ映画生活】78点 初日満足度ランキング10位

【COCO】COCO映画レビュー満足度86% ポジティブ指数100%

【Filmarks】☆3.8

Yahoo!映画】☆3.97

【映画.com】☆3.8

まぁこれだけ見ても、高評価と言っていいでしょう。というより、私はこの結果だけで見に行きたくなるレベルですけどね。

 

6.本作を勧めたいポイント!

長所をより押していきたいと思います。

①黙って岩井俊二の映画を見てくれ!!

公開当時には「岩井俊二気持ち悪い」というのがTwitterに上がっていました。そんなに否定しないで欲しい。彼の世界観は誰もが好きなはずの理想の世界じゃないか。手紙をモチーフにしたところも日本の古き良き感じも、感情を手紙に乗せる感じも良いテイストになっています。だから否定的な目や発言はなく、一度「黙って岩井俊二の映画を見てくれ!」、見たあとの文句はたくさん聞いてやる。しかし、否定的な意見はすぐに納得はできない。私はあくまで肯定していますからね。

因みに煽り文句は「黙ってピアノを弾いてくれ」というドキュメンタリー映画のパロディです。

それは置いといて、背景や環境やカメラワークや音楽だっていい作品なんです。ラブストーリーに執着しないで欲しい。森七菜という可愛い女優を見れること、松たか子の「四月物語」から成長した演技を見守るのも良し、ちょっと今までにない福山雅治の上手くいっていない大人の姿に見惚れるも良しです。物語に執着せず、あなたの好きになる点はたくさんこの映画に溢れています。なんならおおよそ寝ていてもいいから、広瀬すずの答辞のシーンだけでも真剣に見てほしい。皆さんが経験したことに必ずあてはまる文言が述べられています。パンフレットにはその内容が記載されています。もう一度読むと子の映画の雰囲気ってやっぱり好きと思うはずです。

 

②「固定概念を捨てろ」そしてこれが珠玉のラブストーリーだ。

これはスター・ウォーズヨーダの名セリフですね。

①の内容とかぶりますが、最初のイメージが悪い、ナルシストな映画だと思わないで欲しいという願いです。「固定概念を捨てろ」ということで、新しい価値観が生まれ、新しい映画体験できるというものです。

私は、岩井俊二監督作品の集大成な要素も含められていると思います。映画監督って映画を作るだけでなく、他にも才能がないとなり得ない職業でもあるんです。岩井俊二監督の魅力は、小説や歌にも含まれているのです。

今回の主題歌「カエルノウタ」も彼が作詞をしていますね。ミュージックビデオも監督しています。また、ドキュメンタリーやキットカットのCMなど。つまり彼は天才なんです。凡才の私には、彼が描く世界観に魅了されてしまうのです。それこそ、「四月物語」を最初見ていると、こんな大学生活なんてありえないし、好きな人を追って東京に行くことなんてないわ、と冷めた感じに思っていましたよ。しかし、社会人になるとそうやって追いかけていく人がいる話を聞いて、そんなに人を好きになれるんだという魅力と、そういうことを映画で描ける監督がいるという喜びを感じましたね。だからこそ、年齢を重ねた時に新しい発見があると思うのでぜひ見てほしい。

 

③「もっと私をパンクにして。」

これは、「パーティーで女の子に話しかけるには」の台詞ですね。エル・ファニングがちょっとエッチでファンキーでミステリアスが堪らないシーンです。自分を変えたい、好きに生きたいというシーンでもありますね。

言いたいことは、「ラストレター」は泣けてしまう映画なんです。初恋の人と出会う、初恋の人と手紙でやりとりをする、初恋の人が自殺してしまう、自分は今どこにいるのか、今でも初恋の人が好きで・・・色々考えさせられるシーンが豊富なんです。

つまりですね、この映画の終わり方は前向きな一歩を踏み出すきっかけをくれる映画なんです。自分にとって、高校時代が如何なるもので、好きだった人を通して、新しい一歩を踏み出す。そのシーンはぜひ劇場で見てほしい。福山雅治松たか子にプレゼント渡すのですよ。そこにこういった思いが詰まっていると考えています。

 

7.まとめ

 実は「ラストレター」を企画・プロデュースしたのは川村元気なんです。やられた。知らなかった。気づかなかった。それでも川村元気ありがとう。良い作品を企画してくれてありがとうという思いです。

最後に「ラストレター」を見た後にぜひ「四月物語」を見てほしいです。短くて見やすい作品です。台詞も少ないので絵や音で魅せてくれるシーンがありますのでおすすめです。